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2019年9月14日 (土)

DREAM THEATER『AWAKE』(1994)

1994年10月リリースの、DREAM THEATER通算3作目のフルアルバム。

ジェイムズ・ラブリエ(Vo)加入後初のアルバムとなった前作『IMAGES AND WORDS』(1992年)が本国アメリカ以上に、ここ日本で好成績を残したことにより、続く今作への期待は当時、相当高いものがありました。それもあってか、ここ日本(オリコン週間ランキング)では全米チャート(32位)を超える7位を記録。日本だけで20万枚を超える大ヒット作となりました。

で、本作は『IMAGES AND WORDS』で日本のメタルファンを虜にさせたメロディアス・プログレハード/メタル路線を踏襲しているのかと問われると、答えはノー。そう、完全にその手のファンの期待を裏切る内容だったのです(笑)。

作風的にはモダンヘヴィネス寄りで、時流に乗ったと言えなくもありません。事実、「Caught In A Web」や「The Mirror」「Lie」といったヘヴィ路線は前作にはなかったものですし、ザクザクしたギターリフは完全にMETALLICAブラックアルバムPANTERA『俗悪』以降のもの。そりゃあ“『IMAGES AND WORDS』パート2”を求めるファンからしたら裏切り行為以外の何物でもないですよね。

では、その裏切り行為の塊(笑)である本作はそんなに悪くて酷い内容なのかと言いますと、全然そんなことはない。むしろ、僕はDREAM THEATERの全キャリア中トップクラスで好きな1枚なんですよね。そう、こういう天邪鬼なリスナーも世の中にはいるんですよ。

モダンでシリアスさの強い「6:00」から始まる構成は、どことなく当時のQUEENSRYCHEにも通ずるものがあるし、ただヘヴィなだけではなくて「Innocence Faded」のようなポップなプログレハードも「The Silent Man」のようなアコースティックバラードも存在する。「Lifting Shadows Off A Dream」で聴かせる穏やかさと繊細さは、ぶっちゃけ大味気味だった『IMAGES AND WORDS』では表現できなかったものだと思いますし、アルバムラストを飾るダークなゴシックバラード「Space-Dye Vest」もひんやり感も捨てがたい。ダークだけどドラマチックさが備わった「Scarred」から「Space-Dye Vest」へと流れるこのラストの構成も、文句なしで素晴らしいと思います。

で、個人的に「Space-Dye Vest」と同じくらいプッシュしたいのが、本作のキモと言えなくもないダークなインストチューン「Erotomania」。このカッコよさと言ったら、もう……痺れますわ。実はこの曲と、続く「Voices」「The Silent Man」は「A Mind Beside Itself」と題した3部作の組曲となっていて、トータル20分という聴き応えのある構成なんです。また、「The Mirror」と「Lie」のヘヴィ2連発も曲間のない組曲的な構成となっていて、全体的にそういうシームレスさがこのアルバムが持つ独特の緊張感を高めている気がします。

世の中的には『IMAGES AND WORDS』は名盤で間違いないですし、入門編としても素晴らしい1枚だと思います。が、DREAM THEATERというバンドがその後も活動を続けていく上でひとつの指針となったのは、実はこの『AWAKE』のほうなんじゃないか。そんな気がしています。これがなければ、続くミニアルバム『A CHANGE OF SEASONS』(1995年)も、一大コンセプトアルバム『METROPOLIS PT.2: SCENES FROM A MEMORY』(1999年)も、2枚組の大作『SIX DEGREES OF INNER TURBULENCE』(2002年)も生まれなかったか、あるいはああいう作品にならなかったんじゃないでしょうか。そう思わずにはいられません。

 


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