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2019年9月10日 (火)

UFO『PHENOMENON』(1974)

1974年5月リリースの、UFO通算3作目のオリジナルアルバム。Chrysalis Records移籍第1弾アルバムであり、初めてアメリカでチャートイン(202位)を果たした、バンドにとって本格的な第一歩となった1枚です。

本作からギターがミック・ボルトンから、ドイツ出身のマイケル・シェンカーに交代。ドイツではSCORPIONSの1stアルバム『LONSOME CROW』(1972年)でレコードデビューを果たしていたものの、世界的にみれば完全に無名の新人だったシェンカー。当時はまだ19歳と早熟でしたが、本作では早くもその才能とセンスをソングライティング&ギタープレイ面で発揮しております。

TEN YEARS AFTERのベーシストだったレオ・ライオンズをプロデューサーに迎えた本作。大半の楽曲をシェンカーとフィル・モグ(Vo)が手がけており、それもあってか、過去2作の雰囲気とは異なるものへと変化・進化しています。オープニング2曲(「Too Young To Know」「Crystal Light」)でこそサザンロック調の緩やかなロックが奏でられていますが(ちなみに「Too Young To Know」はピート・ウェイ(B)とフィルのよるもの)、3曲目「Doctor Doctor」で空気が一変。哀愁漂うスローなイントロから、最高にカッコいいハードロックサウンドとメロディアスなギターフレーズでドラマチックな展開を作り上げていきます。やっぱり何度聴いてもシビれるわ、この曲は。

単なるブルースロックとは一線を画するスローな「Space Child」を経て、アナログA面ラストを飾る「Rock Bottom」で一気にテンション爆上げ。シンプルなギターリフですが、だからこそのカッコよさがあるわけで、そこにフィル&アンディ・パーカー(Dr)のスリリングなリズムが絡む。緩急の付け方も絶妙ですし、短いフレージングの中でもしっかり“泣いて”いるシェンカーのソロプレイも最高の一言。曲が進むにつれて高揚感も増していくアレンジ含め、文句なしの1曲です。

「Doctor Doctor」と「Rock Bottom」という突出した2曲に目が行きがちな本作ですが、後半(アナログB面)も聴きどころが多いんですよ。メンバー4人の曲作による「Oh My」のタイトさ、シェンカーのアコースティックギターを堪能できる「Time On My Hands」、ハウリン・ウルフなどで知られるウィリー・ディクソン作「Built For Comfort」のヘヴィなカバーバージョン、シェンカーのメロウなプレイを思う存分に味わえるインスト「Lipstick Traces」、シェンカーのギターはもちろんですがピートのベースプレイにも注目な「Queen Of The Deep」と、前半以上にバラエティに富んだ良曲が揃っているのですから。

単なるブルースロック/ハードロックとも異なる“泣き”の要素は、ジミー・ペイジLED ZEPPELIN)ともリッチー・ブラックモア(DEEP PURPLE)とも異なるもの。これがシェンカーのドイツというルーツによるものなのかはわかりませんが(いや、そうなんだろうけど)、間違いなくシェンカーの加入がバンドを良い方向に導き始めたことだけは理解できると思います。ライブ作品やベスト盤ではなくスタジオ作品からちゃんと追いたいというリスナーは、まず本作を入門編として手に取ってみてはいかがでしょう。

 


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