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2019年9月18日 (水)

PINK FLOYD『THE DIVISION BELL』(1994)

『対(TSUI)』の邦題で知られる、PINK FLOYDの14thアルバム。海外では1994年3月末に、日本では同年4月中旬にリリースされました。

デヴィッド・ギルモア(Vo, G)、ニック・メイソン(Dr)、リチャード・ライト(Key, Vo)体制になって正式な1作目(リチャード・ライトは1987年発売の前作『A MOMENTARY LAPSE OF REASON』制作時は参加せず、同作のツアーにサポートミュージシャンとして参加)。『A MOMENTARY LAPSE OF REASON』はロジャー・ウォーターズ(Vo, B)との裁判で揉めたりなど、すったもんだあったあとの作品でしたが、本作はそこから7年もの歳月を経て届けられた、新生フロイドとしては安定期に入ってからの1枚となります。

ということもあってか、作風的には非常にゆったり&まったりとした内容で、全体的にAORの香りが漂っています。もはや往年の緊張感を求めるのは酷かもしれませんね。

とはいえ、それでも70年代のプログレッシヴロック路線に回帰しようとする意思はあるようで、音楽的に組曲などで聴かせる手法ではないものの、歌詞のテーマ的には「コミュニケーションの欠如による対立」を軸にしたコンセプトアルバムに仕上げられています。

ギルモアの歌も板に付いてきた感があり、「What Do You Want From Me」あたりでは女性コーラスをフィーチャーした非常にソウルフルなボーカルを聴かせてくれます。また、サックスがアダルトな空気を醸し出す「Wearing The Inside Out」ではリチャード・ライトも歌声を披露しています。

実はこのアルバム、めちゃめちゃ好きなんですよね。プログレか否かと問われると非常に答えに困るのですが、今みたいな時期は深夜に、少し音量を落として流すと非常にハマるといいますか。ギルモアの味わい深いギタープレイと相まって、本当に気持ちよく楽しめるのです。

「それって、毒にも薬にもならないじゃないか」と突っ込まれたらそれまでですが、20代前半で出会ったリリース当時よりも大人になった今のほうが偏見なく、純粋に堪能できる1枚じゃないか。そんな気がしています。

全11曲、トータルで70分近い大作ですが、ラストの「High Hopes」までまったりと、リラックスしてその世界に浸ってほしい。歌詞の世界観を味わうのはそのあとからでも十分だと思うので、まずはこのサウンドと楽曲を楽しんでもらいたいと思います。この頃のフロイドも悪くないですから、ホントに。

 


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