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2019年9月 4日 (水)

PRIMAL SCREAM『XTRMNTR』(2000)

2000年1月末にリリースされた、PRIMAL SCREAM通算6作目のオリジナルアルバム。日本では数週前倒しで発売されています。

前作『VANISHING POINT』(1997年)制作中にバンドへ加入した元THE STONE ROSESのマニ(B)が、本格的に全面参加した1枚で、レコーディングにはケヴィン・シールズ(MY BLOODY VALENTINE)やバーナード・サムナー(NEW ORDER)などがゲスト参加。ケヴィンは本作を携えたツアーからライブにも参加し、以降しばらくPRIMAL SCREAMに在籍することになります。

また、THE CHEMICAL BROTHERSやジャグズ・クーナー、アンドリュー・ウェザーオール、デヴィッド・ホルムズ、ダン・ジ・オートメーターなど豪華プロデューサー/リミキサーも加わり、前作でのダブ/サンプリング路線をさらに推し進めた、ヒップホップ以降のパンキッシュな1枚に仕上がっています。

とにかく、1枚の中にさまざまなジャンルが混在していながらも、不思議と統一感のある内容になっているのが不思議なアルバム。オープニングの「Kill All Hippies」(タイトルからして最高)は完全に前作の延長線上にある1曲ですが、続く「Accelerator」はパンキッシュなガレージロックだし、「Exterminator」はノイジーでゴリゴリのデジロック、ジャグズ・クーナー版「Swastika Eyes」はフロアで大盛り上がり必至のダンスミュージック、「Pills」は浮遊感漂うヒップホップ。ここまでてんでバラバラなのにすべてカッコいいんですから、恐れ入ります。

その後もジャジーなインスト「Blood Money」、ポップなトリップチューン「Keep Your Dreams」を筆頭に、無機質なエレクトロナンバー「Insect Royalty」、前作収録曲「If They Move Kill 'Em」をケヴィン・シールズがリミックスした「MBV Arkestra (If They Move Kill 'Em)」、THE CHEMICAL BROTHERSらしいドーピング感満載の「Swastika Eyes」別バージョン、そして眩いくらいにキラキラした「Shoot Speed / Kill Light」でエンディングを迎える。聴きどころ満載、いや、聴きどころしかない60分。これを傑作と呼ばずしてどうするよ、と。

歌詞に関しても、ボビー・ギレスピー(Vo)の政治的姿勢が強まったことで、より攻撃的になっており、これが続く『EVIL HEAT』(2002年)へとつながっていくわけです。

とにかく、この時期のライブは最高以外の何ものでもなかったなあ。ロックバンドがネクストレベルへ向かう過程でドロップした、異形の名盤。一般的に傑作と呼ばれる『SCREAMADELICA』(1991年)と双璧をなす、PRIMAL SCREAMの代表作だと思います(個人的にはこちらのほうが好みなんですが)。

なお、前年末にバンドが所属したCreation Recordsが閉鎖されることがアナウンスされており、本作が同レーベルからの最後のアルバムとなりました。チャート的には前作から全英3位という好成績を残していますが、シングルとしては「Swastika Eyes」(同22位)、「Kill All Hippies」(同24位)、「Accelerator」(34位)と大きなヒットは生まれませんでした。より政治色を強めた次作を機に本国でのセールスは下降線をたどることになり、バンドにとっては本作までがピークということになるようです。

 


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