NEW YORK DOLLS『ONE DAY IT WILL PLEASE US TO REMEMBER EVEN THIS』(2006)
2006年7月下旬に発表された、NEW YORK DOLLSの3rdアルバム。日本盤もほぼ同タイミングでリリースされています。
彼らがスタジオアルバムをリリースするのは『TOO MUCH TOO SOON』(1974年)以来、実に32年ぶりのこと。とはいえ、黄金期メンバーのジョニー・サンザース(G)もジェリー・ノーラン(Dr)も90年代前半に亡くなっているし、アーサー・ケイン(B)も2004年夏に白血病で亡くなっており、前作から残っているのはデヴィッド・ヨハンセン(Vo)とシルヴェイン・シルヴェイン(G)のみ。
そんな彼らをサポートしたのが、元HANOI ROCKSのサミ・ヤッファ(B)、日本では菅野よう子とのコラボレーションでも(一部で)知られるスティーヴ・コンテ(G)、そしてブライアン・デラニー(Dr)にブライアン・クーニン(Key)という編成。この6人で新生NEW YORK DOLLSとして本格的活動再開を果たしたわけです。
このアルバムのプロデュースを手がけたのは、AEROSMITHやCHEAP TRICKなどでおなじみのジャック・ダグラス。さらにゲストアーティストとしてイギー・ポップやマイケル・スタイプ(当時R.E.M.)、トム・ゲイブル(AGAINST ME!/のちのトランスジェンダーを告白し、現在はローラ・ジェーン・グレイスと改名して女性として生活)といったシンガーや、ボ・ディドリー(G)などがプレイヤーとして参加。NEW YORK DOLLSの復活に華を添えています。
さて、気になる内容ですが……うん、ちゃんとNEW YORK DOLLSです。デヴィッド・ヨハンセンの声が年相応の老け方をしており、往年のグラマラスさはもはや見る影もありませんが、この年齢じゃないと醸し出せない渋みがこの音楽スタイルと見事に合致し、より説得力の強い音楽を生み出すことに成功しています。
楽曲的には初期の彼らにすでに備わっていたソウルやR&B……要するにモータウンの要素が強いロック/ポップスが中心で、オープニングを飾るハードドライヴィングな「We're All In Love」こそゴリゴリ感が若干強いですが、それでも彼らならではのしなやかさもにじみ出ており、最初から好感触。その後も時代を超越したスタンダードナンバー/ロックンロールが続いていきます。
無駄にスキャンダラスな要素がなくなったぶん、楽曲と演奏で勝負するしかないわけですが、本来このバンドはそっち側で戦うべき存在だったのではないでしょうか……そう思わずにはいられないほどに、32年の空白を感じさせない“つながり”が見出せる素晴らしい内容です。
恐らくですが、本作においてはオリジナルメンバーからしたらガキンチョでしかないサミやスティーヴの演奏面&ソングライティングでの活躍が非常に大きかったと思うのです。そしてそれは、続く4thアルバム『CAUSE I SEZ SO』でさらに強くなります(だからこそ、2人の脱退がバンドの寿命を縮めてしまったとも言えるわけですが)。
▼NEW YORK DOLLS『ONE DAY IT WILL PLEASE US TO REMEMBER EVEN THIS』
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