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2019年10月 4日 (金)

SUEDE『COMING UP』(1996)

1996年9月にリリースされた、SUEDE通算3作目のオリジナルアルバム。

前作『DOG MAN STAR』(1994年)完成直前にバーナード・バトラー(G)が脱退し、同作のツアーには当時若干18歳のリチャード・オークスを起用。そのまま正式加入すると、バンドは新たにニール・コドリング(Key)を加えた5人編成でレコーディングに突入。過去2作を手がけたエド・ビューラーを迎えて完成されたのが、このキャリア最大ヒット作となった3rdアルバムです。

本作からは先行シングル「Trash」がまず全英3位と過去最高位を記録。これを受けて、アルバムもデビュー作『SUEDE』(1993年)に続く2作目の全英1位を獲得しました。その後も「Beautiful Ones」(同8位)、「Saturday Night」(同6位)、「Lazy」(同9位)、「Filmstar」(同9位)と計5曲ものTOP10ヒットを生み出し、アルバム自体もキャリア初となるプラチナムに認定されました。

過去2作にあったダークさや、淫らで危うい影の部分が払拭された本作は、突き抜け感がハンパなく、まばゆいほどの光を放っているポジティブな1枚。〈We're the trash you and me〉と歌われるリード曲「Trash」は、このフレーズを筆頭に歌われている内容は過去2作を踏襲したものと言えますが、今作ではそのネガティブさを肯定し、受け入れ、それでも前に進もうとするポジティブさが伝わってきます。

つまり、精神性は何ら変わっていないのに、それらを表現する手段がマニアックなものからポピュラリティの高いものへとシフトしたことで、それまで見向きもしなかった人までもを巻き込むことに成功した。これが彼らの大ブレイクの理由だったのかなと。確かにリリース当時、初期のいなたさを愛好するバーナード派からはそっぽを向かれました。しかし、そういったネガティブ要素を払拭するほどの勢いが当時に彼らに備わっていたのもまた事実です。

とにかく、どの曲もよく作り込まれていてキャッチー。そりゃあアルバム収録曲の半分がシングルカットされても不思議じゃないわ。しかも、時代はブリットポップ最盛期。彼らもその流行にうまく乗ることができたわけです。

初期2作の完成度も捨てがたいですが、本作の無敵感もまた何物にも変えがたいものがある。どれが一番好きかと問われると本当に悩みますし、日によって変わってくるとは思いますが、やっぱりアンセミックなロックチューン「Trash」から始まり、再びアンセミックなバラード「Saturday Night」で幕を下ろす本作はタイミングや心情を選ばず、いつ聴いてもベストだと思います。

そういった意味では、もっとも初心者にオススメしやすい1枚かもしれません。

 


▼SUEDE『COMING UP』
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