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2019年11月16日 (土)

FATES WARNING『PERFECT SYMMETRY』(1989)

1989年8月中旬リリースの、FATES WARNINGの5thアルバム。本作が日本デビュー作となり、海外から1ヶ月遅れの同年9月下旬に発表されました。

彼らの所属レーベルであるMetal Blade Recordsが当時、日本ではポニーキャニオン流通だったこともあり、その後しばらくは同社から日本盤が販売されていましたが、のちに流通先がMercury Recordsに移ったことで日本盤もマーキュリー・ミュージック(のちにユニバーサル・ミュージック)へと発売元が移籍しております。僕が購入したのは、このマーキュリー盤のようです。

最初に聴いたアルバムは次作『PARALLELS』(1991年)で、思い入れが強いのもそちらになるのですが、前回、前々回と1989年リリースのプログレッシヴ・メタルが続いていたので、無理くり探してこちらをピックアップ(笑)。いや、これも好きなんですけどね。

実は彼ら、先の『PARALLELS』でダークさが増すなど若干路線変更することになります。まあ、言っちゃえば当時流行っていたQUEENSRYCHEあたりの路線に近くことになるわけですが、よくよく聴くと本作の時点でそのダークさが至るところから感じ取れる。つまり、この時点で進化はスタートしていたわけです。

とはいえ本作は、それ以前の『NO EXIT』(1988年)までに近いテクニカルメタル路線が軸にあるのも事実。変拍子を要所要所にぶち込んだアンサンブルはどこか数学的でもあり、そこにかっちり作り込まれたフレージングとレイ・アルダー(Vo)によるメタル的ハイトーンボイスが絡んでくる。つまり、80年代と90年代の要素をつなぐ橋渡し的な1枚。言っちゃえば、過渡期的作品であるわけです。

しかし、そう書くと「じゃあ本作は名盤の影に隠れた中途半端な出来なのでは?」という声が挙がりそうですが、全然そんなこともなく。前回のDREAM THEATERや前々回のVOIVODが好きな人ならなんとなく気に入ってもらえるんじゃないかというテクニカルなメタルとフュージョン的なバンドアンサンブルが同時に楽しめる良作に仕上がっています。

それは『WHEN DREAM AND DAY UNITE』でDREAM THEATERが試みたシンフォニック系のノリは似て非なるもので(どちらかというと3rd『AWAKE』に近いかも)、冷たさという点においてはVOIVODの『NOTHINGFACE』にも通ずるものがあるけどちょっと違う。つまり上記2組とも、あるいはQUEENSRYCHEとも異なる個性を放っているわけです。彼らにしてはストレートな「The Arena」みたいな楽曲もあれば、センチメンタルな序盤からひたすらひねくれた展開へと続く長尺曲「At Fate's Hands」もある。まあとにかく、しのごの言わずい聴いてみることをオススメします。

あ、本作には当時DREAM THEATERのメンバーだったケヴィン・ムーア(Key)がゲスト参加しているので、そのへんはドリムシっぽさを醸し出していると言えるかも(ほんの少々ですが)。

 


▼FATES WARNING『PERFECT SYMMETRY』
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