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2019年11月29日 (金)

NILE『VILE NILOTIC RITES』(2019)

2019年11月初頭にリリースされた、NILEの9thアルバム。

言わずと知れた、アメリカ・サウスカロライナ州出身のテクニカル・デスメタルバンドNILEですが、実は僕自身ここまでちょっと避けてきたバンドでした。理由は特にないのですが、なんとなく経験していたといいますか。聴けば絶対にハマることはわかっていたのに……要するに、入りどきを見失っていたんでしょうね。彼らが登場した90年代末から2000年代初頭、ちょっとこの手の新しい音楽と距離を置いていたタイミングもあったし、そこを外してしまってからは新作が出るたびになんとなく手が伸びなかったり。

で、各種ストリーミングサービスが始まってから自分の中で「新譜を貪欲に聴いていこう」と意識を変え、これまで触れてこなかったバンドにも積極的に手を出すようにしていたのもあり、今回ようやくNILEについて触れるタイミングが訪れたわけです。

予備知識としては「とにかくブルータルでテクニカルなデスメタル」「中近東などワールドミュージックの要素を導入」「トリプルボーカル」程度しかなく、そんな自分が初めて聴いたNILEのアルバム。うん、カッコいいじゃん(笑)。もっと早くに聴いておけよ!と自分にツッコミを入れておきます。

痙攣気味に手数の多いドラミングが心地よいのと、中近東を彷彿とさせるフレージング、次々と変化を繰り返す曲展開、と同時に「Seven Horns Of War」のように9分近くにもわたる大作では映画のサウンドトラックのようなドラマチックさを演出するアレンジ力。どれを取っても最高峰だと思いますし、2分程度のショートチューンから先の大作まで、とにかく1曲1曲をちゃんと聞かせよう、惹きつけようとする工夫が随所に用意されていると思いました。

正直、トリプルボーカルの聴き分けは軽く触れた程度ではわからない部分も多いですが(笑)、きっとちゃんとした役割分担があるのでしょう。ここに関しては素人でゴメンなさい。

あと、この手のバンドの音源としては非常に聴きやすいミックスバランスで、そこにも単なるオナニーで終わらない、ちゃんと作品を届けようとするバンドの姿勢が垣間見える気がします。とにかく聴きやすい! これ、この手のバンドとしては異例じゃないかな。この手のバンドならあえて聴きにくくすることで難解さを増す、あるいは聴き手に違和感を与える手法だってできるはずなんです。でも、それをしない。しっかり“作品”というものと向き合っているし、もっと言えば芸術性の高いデスメタルだと思うんですよ。自分で書いてみて、「芸術性の高いデスメタル」ってかなりアレだとは思いますが(笑)。

あえて過去の作品に触れてからではなく、いきなりこのアルバムから入ったことでNILEというバンドに素直に興味が持てたし、ここから過去作をさかのぼって聴いてみようと思えたので、自分的には良い出会いだったと思います。無心になりたいときにヘッドフォンで、ひたすら爆音で楽しみたい1枚です。

 


▼NILE『VILE NILOTIC RITES』
(amazon:日本盤CD / 海外盤CD / MP3

 

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