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2019年11月11日 (月)

IRON MAIDEN『POWERSLAVE』(1984)

IRON MAIDENが1984年9月にリリースした、通算5作目のオリジナルアルバム。全英2位、全米21位という成績を残しており、本作からは「2 Minutes To Midnight」(全英11位)、「Aces High」(同20位)というヒットシングルが生まれています。

ブルース・ディッキンソン(Vo)加入後3作目、そしてブルース、スティーヴ・ハリス(B)、エイドリアン・スミス(G)、デイヴ・マーレイ(G)、ニコ・マクブレイン(Dr)という黄金期の布陣が揃ってからは2作目となる本作は、プログレッシヴな大作志向に拍車がかかった最初の1枚。当時アナログでA面に5曲、B面に3曲でトータル51分強というトータルランニングで、確かそれまでの作品は46分テープを使っていたのに今作から54分テープを使うようになった記憶が強く残っています(今やどうでもいい話ですが。苦笑)。

本作というと、やはりオープニングを飾る名曲中の名曲「Aces High」と、それに続くキラーチューン「2 Minutes To Midnight」という2大シングルの存在感の強さにより、アルバムとしても名盤という印象が強く持たれているような気がします。というか、この2曲の完成度が突出しすぎていて、そこにアルバム全体の評価がボカされてしまっている印象も無きにしも非ず、と言いますか。僕自身、実はこの“マジック”に長い間翻弄され続け、本作に正当な評価を下せずにいたんです。

確かに良いアルバムなんですよ。サウンドの質感も前作『PEACE OF MIND』(1983年)までと異なり、一気に向上したイメージがありますし、80年代後半に彼らが歩むことになる大作志向の第一歩としてはかなり上出来な内容だとも思うんです。けど、すべての楽曲が本当に「Aces High」や「2 Minutes To Midnight」と並ぶ完成度の高さを誇る1枚なのか……そこに関しては、聴くタイミングによってYESでもあり、NOでもあったのは確か。

名曲2曲に続くのがインスト曲「Losfer Words (Big 'Orra)」という構成も当時は謎でしたし、それに続くアップチューン「Flash Of The Blade」も彼らにしては非常にシンプルで薄味に感じられた。続く「The Duellists」も然り。アナログA面に関しては冒頭2曲の出来が突出していたがために、その後の3曲のインパクトがどうしても薄味に思えて仕方なかったんです。これに関しては、正直異論はないんじゃないでしょうか。

ですが、6曲目以降……アナログB面の評価によって、本作の楽しみ方は大いに変わってくるんですよね。僕は前半のインパクトのせいで、正気後半をそこまで真剣に聴き込んでこなかったのも事実でして。だって、3曲で26分という構成は気軽に聴けるものではないですものね(苦笑)。

とはいえ、改めてちゃんと聴くと「Back In The Village」はキャッチーさがしっかり備わったアップチューンで、「Aces High」ほどではないものの、以降のメイデンらしさはしっかりここで確立されていたことに気づかされる。そして7分強におよぶタイトルトラック「Powerslave」と、約14分にわたる大作「Rime Of The Ancient Mariner」。この2曲はガキの頃こそ長尺すぎて(その濃ゆさに)追いつけなかった自分がいたわけですが、余裕を持って音楽を楽しめる年代になればなるほど、その奥深さや作り込みのこだわりに圧倒されることになるわけです。

で、幼い頃は全体としての評価は低かったこのアルバム。気づけば自分内でどんどん評価は高まっていき、今や上位クラスに入るお気に入りの1枚となっているわけです。確かに、その後の『SOMEWHERE IN TIME』(1986年)『SEVENTH SON OF A SEVENTH SON』(1988年)に比べたら一歩劣る出来かもしれませんが(いや、『SOMEWHERE IN TIME』とはどっこいどっこいかな)、それでもこの3作の並びは彼らの80年代中盤から後半を語る上でかなり重要なのではないかと。

頭2曲と後半3曲の完成度はかなりのものがある、今に至る“ディッキンソン's メイデン”の真の意味での幕開けを飾る1枚。2020年5月に控える4年ぶりの来日公演を前に、ぜひじっくり楽しんでほしいところです。

 


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