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2019年11月10日 (日)

GAMMA RAY『HEADING FOR TOMORROW』(1990)

1990年2月にリリースされた、カイ・ハンセン(ex. HELLOWEEN)率いるGAMMA RAYの1stアルバム。日本盤は数週遅れて同年3月に発売されています。

健康上の問題もあり「これ以上長期のツアーに加わるのは厳しい」という理由からHELLOWEENを1989年1月に脱退したカイ。それから1年でこのGAMMA RAYのアルバム発売まで漕ぎ着けていることを考えると、脱退自体はもう少し前から計画されていたこと、当初はソロアルバムの予定だったこの『HEADING FOR TOMORROW』の準備(曲作り)もその頃から手がけていたのでしょう。

事実、このアルバムの日本盤は当初KAI HANSEN名義のソロプロジェクト第1弾アルバムとしてリリースされていますし(カイとフロントマンのラルフ・シーパースが映ったジャケットの上に箱型のケースを被せ、そこに“KAI HANSEN / HEADING FOR TOMORROW”としっかり書いてしまっているという)。そのほうが売り出しやすい(HELLOWEENファンにも伝わりやすい)でしょうし。

結果としてはパーマネントバンドとなったGAMMA RAYですが、確かに本作レコーディングの時点ではプロジェクト色の強いものだったと思うんです。事実、レコーディングにはウヴェ・ヴェッセル(B)、マティアス・ブルヒャルト (Dr)が参加していますが、その後のツアーではウリ・カッシュ(Dr)に交代していたり、アルバムにはゲスト名義だったディルク・シュレヒター(G)もツアーから正式参加していますしね。

そんなアルバムの中身ですが、これがもう『守護神伝』シリーズにおけるHELLOWEENの正統的後継作品なわけです。いわゆる“ジャーマンメタル のパブリックイメージ”をそのまま継承しつつも、より純度の高い王道ヘヴィメタル路線を極めているといいますか。しかも、そういった楽曲をラルフ・シーパースというロブ・ハルフォードにも似た歌声/歌唱スタイルを持つシンガーが歌うわけですから、悪いわけがない。カイもさぞ制作が楽しかったんじゃないかな。それが伝わってくる内容ですしね。

「Lust For Life」や「Heaven Can Wait」などといった『守護神伝』タイプの楽曲もあれば、「Money」のように初期HELLOWEENを思わせる楽曲もあるし、「Silence」みたいなピアノバラードも存在する。さらには14分におよぶ大作「Heading For Tomorrow」もしっかり用意されており、それまでのHELLOWEENファンやジャーマンメタル愛好家、さらには正統派HR/HMファンにまでアピールする内容になったのではないでしょうか。

GAMMA RAYは作品を重ねていくごとに、その音楽性をより濃厚で、カイのルーツに立ち返った作風へと昇華させていきます。それは4作目『LAND OF THE FREE』(1995年)からカイ自身が再びボーカルを担当するところも大きかったのでしょう。それ以降の作品も悪くはないのですが、個人的にはラルフが歌っていた時代が非常に好きでして。思い入れでは3rdアルバム『INSANITY AND GENIUS』(1993年)までなんですよね……。

 


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