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2019年11月 8日 (金)

UGLY KID JOE『AMERICA'S LEAST WANTED』(1992)

UGLY KID JOEが1992年9月にリリースした1stフルアルバム。

前年秋に6曲入りEP『AS UGLY AS THEY WANNA BE』をインディーズから発表していた彼らですが、年明け1991年春に同作からのシングル「Everything About You」が全米9位の大ヒットに。同作も最高4位、200万枚を超えるヒット作になったことから、そのままメジャーのMercury Recordsと契約を交わし、猛スピードでフルアルバムを完成させます。

マーク・ドッドソン(ANTHRAXMETAL CHURCHSUICIDAL TENDENCIESなど)をプロデューサーに迎えて制作された本作は、良くも悪くも“1992年という時代性”が反映された興味深い1枚となっています。

そもそもUGLY KID JOEはHR/HMバンドなのか、あるいはグランジと並列で語られるべきオルタナティヴ・ロックバンドなのか。当時はHR/HMの枠で語られていましたが、そのヴィジュアルはスラッシュメタル以降グランジ未満といった過渡期的なもので、実は“グランジ/モダン・ヘヴィネス以降”の枠で語るべき存在なのではと個人的には思っています。明らかにSOUNDGARDENALICE IN CHAINSからの影響が伺える楽曲も含まれていますしね。

また、グルーヴィーなリフ&リズムを重視した楽曲群は明らかにモダン・ヘヴィネス以降のそれだし、跳ねたリズムを用いたファンクロック的アレンジはレッチリ以降のそれ。中にはサイケ色が感じられる楽曲も複数あり、そのへんは『BLOOD SUGAR SEX MAGIK』(1991年)以降の流れを汲むものなのかなと。

そう、実はこのアルバムって『BLOOD SUGAR SEX MAGIK』以降の作品でもっともあの空気感を体現した“HR/HMサイドからの回答”なんじゃないかという気がするんです。このユルさはメタルのそれではなく、確実にレッチリ以降のそれなんじゃないかなって。いかがでしょう?

とはいいながらも、プロデューサーの人選によるものなのか、「Goddamn Devil」にはロブ・ハルフォードがフィーチャーされていたり、SUICIDAL TENDENCIESのディーン・プレザンツ(G)がゲスト参加していたりと、鋼鉄要素も存分に味わえます(と同時に、JANE'S ADDICTIONのスティーヴ・パーキンスもゲスト参加しているので、その流れで考えても先の“レッチリ以降”につながるのかなと)。

全米6位の大ヒットとなったハリー・チェイビンのカバー「Cats In The Cradle」や、MVも制作されたグルーヴメタル「Neighbor」「So Damn Cool」、前EPからの流用となる「Everything About You」など初期の代表曲はここでほとんど楽しめるので、まずはこれを聴いておけば問題ないかと。むしろ、これ以外に聴くべき作品があるのかというと(以下略)。

当時は時代の徒花的存在として相当バカにされたバンドですが(もちろん今も重要視されていませんが)、上に書いた“『BLOOD SUGAR SEX MAGIK』のHR/HMサイドからの回答”という観点で触れると違った見方ができる、今となっては歴史的価値の高い1枚だと思っています。

 


▼UGLY KID JOE『AMERICA'S LEAST WANTED』
(amazon:日本盤CD / 海外盤CD / MP3

 

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