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2019年11月19日 (火)

PRETTY MAIDS『UNDRESS YOUR MADNESS』(2019)

PRETTY MAIDSが2019年11月初頭にリリースした、通算16作目のスタジオアルバム。

前作『KINGMAKER』(2016年)から3年ぶりの新作に当たりますが、前作制作中にバンドに正式加入したクリス・レイニー(G, Key)を初めて迎えた、ロニー・アトキンス(Vo)、ケン・ハマー(G)、レネ・シェイズ(B)、アラン・ソーレンセン(Dr)、クリスという5人編成での最初で最後の作品となります(というのも、リズムトラック録音後にドラムのアランがバンドを脱退してしまったため)。

ここ10年ほど、アルバム制作に携わっているヤコブ・ハンセン(DIZZY MIZZ LIZZY、VOLBEAT、AMARANTHEなど)がプロデュースを担当していることもあり、安心・安定のPRETTY MAIDS節炸裂しまくりの1枚。彼らに一度でもハマったことがあるリスナーなら、間違いなく楽しめる良作だと思います。

老いを感じさせないロニー・アトキンスのパワフルなボーカルと、その彼が歌うからこそ映えるグッドメロディ、ケン・ハマーのメロディアスでフラッシーな“らしい”ギタープレイ、キーボード兼セカンド・ギタリストを正式に迎えたことで、アレンジ含めて深みが加わったような印象を受ける、とにかく聴きどころの多い1枚。アルバム中盤に「If You Want Peace (Prepare For War)」といったアップテンポのメタルアンセムが1曲あるのみで、本当にミドルテンポの楽曲中心ですが、不思議と飽きが来ないのは各曲の完成度の高さがすべてを物語っているような気がしませんか?

個人的にはメジャーキーの「Firesoul Fly」や「Will You Still Kiss Me (If I See You In Heaven)」「Shadowlands」のような楽曲から受けるポジティブなイメージが、今このバンドが良好な状態にあることの象徴のように受け取れます(とかいって、ドラム抜けちゃったけど)。

あと、バラードが良いですね。先の「Will You Still Kiss Me (If I See You In Heaven)」や本編ラストを飾る「Strength Of A Rose」のような楽曲を説得力をしっかり持たせて表現できるのは、今の彼らならでは。もはや誰も、今の彼らに「Please Don't Leave Me」の幻影を求めたりはしないでしょう(はい僕ですね)。

ちなみに、日本盤にはオープニングトラック「Serpentine」のオーケストラ・バージョンをボーナストラックとして追加収録。こっちを本編に入れたらよかったのに……と思うほど良好な仕上がりなので、ぜひ聴き比べてみてはいかがでしょう。

これといって新鮮さもないし斬新な新境地も見受けられない、オールドスクールな正統派ヘヴィメタルですが、こういうバンドが30年以上にわたり活動を続けてくれているからこそ、今もシーンが続いており、血気盛んな若手が好き放題やれる。すべてはバランスなんですよね。これを素直に「良いね」「好き」と言い切れる自分でよかった。

2019年を代表する1枚……とは言わないまでも、ひたすら大音量で楽しみたい極上のヘヴィメタル作品です。

 


▼PRETTY MAIDS『UNDRESS YOUR MADNESS』
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