DOWN 'N' OUTZ『THIS IS HOW WE ROLL』(2019)
DEF LEPPARDのジョー・エリオット(Vo)が中心となり2009年に結成されたバンド、DOWN 'N' OUTZが2019年10月に発表した3rdアルバム。過去2作はMOTT THE HOOPLEやBRITISH LIONS、イアン・ハンターのカバーが中心だったのに対し、今作は全12曲中11曲がオリジナル曲。過去の作品と作風が逆転した、初のオリジナルアルバムとなります。
DOWN 'N' OUTZはジョーのほか、THE QUIREBOYSのポール・ゲリン(G)&ガイ・グリフィン(G)、元VIXENのジェア・ロス(B)、WAYWARD SONS、元TOKYO DRAGONSのフィル・マティーニ(Dr)、そしてキース・ウェア(Key)という6人からなる、いわゆる“スーパーバンド”のひとつ。もともとは先に挙げたMOTT THE HOOPLE周りのアーティストのカバーを楽しむためのサイドプロジェクトで、これまでに発表した2枚のアルバム(2010年の『MY REGENERATION』、2014年の『THE FURTHER ADVENTURES OF…』)も肩の力が抜けた歌と演奏を楽しむことができ、個人的にも気に入っていた2作品でした(これらは2016年に日本盤もリリース)。
前作から5年ぶりに制作された3rdアルバムは、こういった“カバーする対象”からの影響を色濃く表したオリジナルナンバーで占められており、ちょっと聴いただけでも「70年代のブリティッシュロックバンドの、隠れた名盤」的な匂いを感じ取れるはず。それくらいよく作り込まれた正統派ブリティッシュロック/グラムロックの後継作品なのです。
ジョーが歌っていることで、至るところからDEF LEPPARDとの共通点も見つけることができますが、あそこまで神経質な作り込みは皆無。ロックバンドならではのラフさを残しつつ、そこにQUEENやMOTT THE HOOPLEなど70年代中盤のブリティッシュバンドの優雅さや上品さ(または、ある意味での下品さ)を散りばめた楽曲の数々はさすがの一言です。「Last Man Standing」のような楽曲を聴くと、思わず涙が込み上げてくる……なんていうリスナーも少なくないのでは。
すべてが“ロック”というわけではなく、中には「Music Box」のようなトラディショナルなインスト曲も含まれているし、ゴスペルを思わせるコーラスが印象的な「Walking To Babylon」もある。そして、本作唯一のカバー曲である「White Punks On Dope」(過去にはMOTLEY CRUEもカバーしたTHE TUBESのカバー)があったりと、非常にバラエティに富んだ内容なのです。アメリカ産グラムロックのTHE TUBESですが、DOWN 'N' OUTZの手にかかれば違和感なくブリティッシュの流れで楽しむことができる。この流れも非常に面白かったです。
DEF LEPPARD周りの新作というよりは、古き良き時代のブリティッシュロックの後継者が発表した普遍性の高い1枚として気楽に向き合ってほしい良作。きっとこの先も暇さえあれば引っ張り出して聴きたくなる1枚だと思います。
▼DOWN 'N' OUTZ『THIS IS HOW WE ROLL』
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