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2019年11月 5日 (火)

IN FLAMES『COLONY』(1999)

IN FLAMESが1999年5月に発表した、通算4作目のオリジナルアルバム。自国スウェーデンで初めてチャートイン(最高34位)した記念すべき1枚で、アメリカでも当時2万枚以上のセールスを残しています。

前作『WHORACLE』(1997年)がここ日本でも成功を収めた彼ら(僕も同作から本格的に彼らを聴くようになりました)。同作発表後にはその後長きにわたり在籍することになるピーター・イワース(B)が加入し、1998年初頭には念願の初来日公演も実現しましたが、帰国後にニクラス・エンゲリン(G)が解雇され、結成時からドラムを務めてきたビョーン・イエロッテがリードギタリストに転向。代わりにダニエル・スヴェンソンが加わり、アンダース・フリーデン(Vo)、イェスパー・ストロムブラード(G)ビョーン(G)、ピーター(B)、ダニエル(Dr)という黄金期ラインナップが完成します。

基本的には前作『WHORACLE』で掴んだひとつのスタイルをさらに推し進めたものですが、次作以降につながっていく「メロディック・デスメタルという枠からの離脱」の幕開けを飾った1枚とも言えます。もちろん、オープニングトラック「Embody The Invisible」などからもおわかりのように、メロディアスなツインリードギターを多用し、正統派ヘヴィメタル的な“わかりやすさ”を基盤に置いたアレンジはメロデスのそれなのですが、本作の楽曲はその“わかりやすさ”に拍車がかかり、当時我々がイメージしたメロデスの枠から少しはみ出し始めたのではないか……そんなことも思ったりしました。

その理由として、いわゆるクリーントーンで歌うパートが効果的に、かつ自然な形で取り入れられていることも大きいのではないでしょうか。前作ではDEPECHE MODEのカバーをしていましたが、その影響ではないでしょうけどちょっとゴシック調な「Ordinary Story」での感情を押し殺したような低音ボーカルや、「Coerced Coexistence」でのエモさが際立つクリーンボイス、さらには「Insipid 2000」のサビで飛び込んでくるメロウなボーカル……もうこれ、普通に歌っちゃえばいいじゃん!とツッコミを入れたくなるほど、自然と溶け込んでいるんです。

あとね、結果論になってしまいますが、本作での試みは多くのフォロワーたちを生み立つ結果につながったのではないでしょうか。それは、メロデス界隈への影響ではなく、そこを起点とした新たな波……ニューメタル以降のNew Wave Of American Heavy Metalへと脈々と受け継がれていくわけです。そして、当のIN FLAMES自身も『CLAYMAN』(2000年)を挟んで、続く『REROUTE TO REMAIN』(2002年)や『SOUNDTRACK TO YOUR ESCAPE』(2004年)でNWOAHMへと接近し、その完成形として『COME CLARITY』(2006年)を生み出すまでに至ります。

そういった意味での“産声”の1枚がこのアルバムなんじゃないかなと。過渡期の1枚と言えなくもないですが、この完成度は過渡期で済ませるには高すぎ。今の彼らみたいな終始歌メロ豊かな内容ではありませんが、2000年代中盤のUSメタルコアやモダン・ヘヴィメタルにこそ改めて触れていただきたい傑作です。

 


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