DREAM THEATER『DISTANCE OVER TIME』(2019)
2019年2月下旬にリリースされたDREAM THEATERの14thアルバム。前作『THE ASTONISHING』(2016年)から3年ぶり、Inside Out Music移籍第1弾アルバムとなります(流通はソニー)。
2枚組でトータル130分超という大ボリュームだった前作のあとに聴くと、非常にシンプルに感じられるから不思議。いや、前のやつが無駄に長すぎただけか。個人的には前作、ピンと来る曲も少なく、ただ時間だけが流れていくというイメージが強くて、実はトータルで聴いたのは数回のみ。気に入った曲だけをピックアップして、プレイリストで再生していたという……同じ聴き方した人、多いんじゃないでしょうか。
そこと比べたら(って、すでに閾値が低いですが)、本作の聴きやすいことといったら……8〜9分台の楽曲も2曲ありますが、基本的には4〜6分台の楽曲が中心。コンセプトアルバムや組曲のような形ではないし、曲単位で演奏のメリハリもしっかりしているから、1曲ごと気軽に楽しめるのも大きい。今の主流的には3分台になってくるので、そこと比べたら全体的に長尺すぎるっちゃあすぎるんですけど、それでも気軽に聴けてしまうのはありがたい。
でも、全面的に手放しで絶賛できる1枚!……というわけでもないんですよ。
以前も書いたように、僕自身は『IMAGES AND WORDS』(1992年)信者でもないし、むしろその後の『AWAKE』(1994年)のほうが好みっていう変わり者なので、そんなリスナーのいち意見という程度で収めてほしいのですが……。
このバンドって、こんなにメロディが弱かったっけ? というのが、本作最大の問題点なのでは。これって、ジェイムズ・ラブリエ(Vo)の声域が加齢に狭まったことも大きいのかな。近年の来日公演、特に前回の『IMAGES AND WORDS』再現ライブ時にそこは嫌という程実感させられましたが、こうやって新曲でいざその問題にぶち当たるといろいろ考えさせられるところがあります。
狭い声域の中でいかに魅力的なメロディを作り出すか……って、そりゃあ限界がありますよね。特に近年のアルバムではそういった命題と向き合いながら創作活動を続けてきたと思うのですが、そこに関してもそろそろ限界を迎えているのではないでしょうか。演奏面でなんとか標準以上のレベルをキープしているものの、肝心のメロディが平坦だと飽きがくるのも早いわけでして。
なんだかね、一時期のイアン・ギラン(DEEP PURPLE)を見ているようで、ちょっとつらくなるんですよ。うん(もちろん、ギラン以上に歌えているんですけどね、圧倒的に)。
この問題、DEEP PURPLEについては作品を重ねていく中である程度クリアできていると思うのですが、DREAM THEATERの場合はどうすることが正解なんでしょうね。デビュー30周年というこのタイミングに、彼らはすごく難しいフェーズに突入してしまったのかもしれません。
いろんな複雑な思いが交差する、良くも悪くも印象に残る1枚です。
▼DREAM THEATER『DISTANCE OVER TIME』
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