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2019年12月19日 (木)

ALTER BRIDGE『WALK THE SKY』(2019)

2019年10月リリースの、ALTER BRIGE通算6作目のスタジオアルバム。

前作『THE LAST HERO』(2016年)からまる3年ぶりの新作となりますが、その間に2枚組ライブCDにレアトラック集を追加した3枚組作品『LIVE AT THE O2 ARENA + RARITIES』(2017年)、オーケストラをフィーチャーしたライブCD&映像作品『LIVE AT THE ROYAL ALBERT HALL (FEATURING THE PARALLAX ORCHESTRA)』(2018年)を1年ごとに発表してきたので、実はそんなに間隔が空いているとは思ってなかったんですよね。それに、マイルズ・ケネディ(Vo, G)はこの3年の間に初のソロアルバム『YEAR OF THE TIGER』(2018年)を制作したり、スラッシュとのアルバム『LIVING THE DREAM』(2018年)やそれに伴うツアーや映像作品発売もありましたし(マイルズ以外のメンバーも個々の活動をしていたので、余計にね)。

そんな、常に何かしら音楽活動をしている勤勉なイメージの強い彼ら。旧知の仲であるマイケル・バスケット(TRIVIUM、スラッシュ、coldrainなど)をプロデューサーに迎えて制作されたこのニューアルバムでは従来の彼らをなぞりつつ、新たな一面を感じさせる実験も見受けられる意欲作を完成させることに成功しています。

これまでの作品と比べるとアップテンポの楽曲が比較的少なく、ミドル中心という“いかにもアメリカのアリーナロックバンドにありがち”な作風へとシフトしていますが、これは曲作りの過程がこれまでとは異なる方法で進められたことも大きく影響しているのかなと(今作ではマイルズとギターのマーク・トレモンティが互いの曲のアイデアをシェアして、ある程度固めたところにほかの2人が加わって曲を固めていったとのこと)。ポスト・グランジ的な楽曲はグランジ寄りというよりはモダンヘヴィネス以降のダーク&ヘヴィにより近づいている印象を受けますし、そこに乗る歌メロももはやグランジ云々では語りつくせない、完全にALTER BRIDGE節が確立されている。そういう意味では、彼らなりのオリジナリティで埋め尽くされた1枚と言えるでしょう。

また、ギターのリフワークも今作は過去作とはちょっと違った印象を受けるかもしれません。これも過去の曲作りとやり方を変えたことが大きいのかな(前作まではマイルズ&マークが、プロデューサーのマイケルと一緒にリフを固めていったようなので)。今作ではもっと変幻自在というか、かっちり固めるというよりも、どこか自由度の高さが伺えるんですよね。

初期のオルタナ・メタル路線とも違うし、前作で得た大衆性を引き継いではいるものの、よりヘヴィさが増しているし。メジャーもどメジャーでシーンのど真ん中にいるんだけど、気を抜いていると至るところに用意された棘がチクリと刺してくる。そんな攻めの姿勢が感じられる本作は、バンドが新たなフェーズに突入したことを宣言するような第2のデビュー作なのかもしれませんね。従来のリスナーからは評価が大きく分かれるような声が聞こえてきますが、僕は「これこそが今のアメリカン・ハードロックのど真ん中」と捉え、好意的に評価したいと思います。

 


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