STONE SOUR『HELLO, YOU BASTARDS: LIVE IN RENO』(2019)
2019年12月中旬にリリースされた、STONE SOURのライブアルバム。
STONE SOURは2007年夏にiTunes限定の配信ライブアルバム『LIVE IN MOSCOW』を発表していますが、フィジカル(CD)でのライブアルバム発売はこれが初めて。かつ、今作はデビューから在籍してきたRoadrunner Recordsではなく、Cooking Vinylからのリリースという事実に驚かされます。
本作は最新オリジナルアルバム『HYDROGRAD』(2017年)を携え行われたツアーの中から、2018年10月5日のネヴァダ州リノでの公演を収録したもの。setlist.fmで当日のセットリストを調べてみると、アルバム収録内容と完全一致するので、フルスケールでのライブを完全収録したもののようです。
選曲的には全16曲(オープニングSEの「YSIF」を除くと全15曲)中『HYDROGRAD』から7曲(歌モノ6曲)と大半を占め、それ以外は1stアルバム『STONE SOUR』(2002年)から2曲、2ndアルバム『COME WHAT(EVER) MAY』(2006年)から4曲、4thアルバム『HOUSE OF GOLD & BONES - PART 1』(2013年)から2曲、5thアルバム『HOUSE OF GOLD & BONES - PART 2』(2014年)から1曲という内訳。なぜか3rdアルバム『AUDIO SECRECY』(2010年)からは1曲もセレクトされていませんが、それ以外の楽曲はほぼシングルカットおよびMV制作された楽曲ばかりなので、いわば2019年時点でのSTONE SOURのグレイテスト・ヒッツ的な1枚と言えるでしょう。
こうやって過去の楽曲を交えたセットリストで現在のコリィ・テイラー(Vo)がSTONE SOURの楽曲を歌うと、やはり完全に“歌モノ・メタル”なんだなと実感させられます。あと、実は楽曲の質感や方向性がデビューから現在まで、ほぼブレていないという事実にも気付かされます。例えば序盤の最新作からの楽曲とそれ以前の楽曲を交えた構成や、中盤における「Bother」「Tired」のメドレー的な流れとそれに続く「Rose Red Violent Blue」というメロウなナンバー、「30/30-150」から始まる怒涛の代表曲の応酬……どれもが自然と連なっており、バンドの方向性がしっかり定まっていることが伺える。改めていいバンドだな、良心的なメタルバンドだなと思います。
コリィのボーカルもベストコンディションですし、バンドも破綻することなく、楽曲も持ち味を活かしたそつないプレイに徹している。悪い言い方をしてしまえば面白みに若干欠けるかなと思わなくもないけど、ここまでやられたら逆に文句言えなくなりそう。それくらい、いい曲をベストなプレイで届けようとする生真面目さが音源から伝わってきます。
現在はSLIPKNOTとしてワールドツアー中のコリィなので、しばらくはSTONE SOURとして活動することもないと思われます。なので、STONE SOURが恋しくなったらこのライブベストを聴いて、来たる次回作に思いを馳せてはいかがでしょう。
▼STONE SOUR『HELLO, YOU BASTARDS: LIVE IN RENO』
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