LEPROUS『PITFALLS』(2019)
LEPROUSが2019年10月下旬に発表した6thアルバム。日本盤は同年11月初頭に発売。
LEPROUSはノルウェーの5人組バンドで、モダンヘヴィネスやオルタナティブメタルにプログレッシブロックの要素をミックスしたサウンドと、エイナル・スーベルグ(Vo, Syn)の哀愁味を帯びた深みのある歌声とが相まって、唯一無二のスタイルを確立。ここ日本ではEMPERORのフロントマン、イーサーンのソロ来日時にバックバンドを務めたことで注目を集め、2013年のイーサーン再来日時には3rdアルバム『COAL』で日本デビューも果たしています。
前作『MALINA』(2017年)から2年ぶりに発表された今作。日本盤は常にTrooper Entertainmentからリリースされているのであまり気づきませんでしたが、実は海外盤はInside Out Musicからのリリースなんですよね。Inside Out Musicというと、DREAM THEATERが最新作『DISTANCE OVER TIME』(2019年)をリリースしたレーベルであると同時に、SONS OF APOLLOやHAKEN、FROST*あたりが在籍するプログレメタル/テクニカルメタルの専門レーベル。EMPERORやイーサーンのイメージが強い彼らですが、なるほど、こう聞くと納得するものがありますね。
前作から引き続き、デヴィッド・カスティロ(OPETH、KATATONIAなど)を共同プロデューサーに、アダム・ノーブル(PLACEBO、BIFFY CLYROなど)をミックスエンジニアに迎えて制作した今作は、前作にあったスリリングなアンサンブルが若干影を潜め、穏やかさの中に艶や色気が見え隠れする、ある意味でリスニング向きに舵を切った意欲作に仕上がっています。
初期の彼らに備わっていた、いわゆるHR/HM的要素はかなり減退しており、そちら側を期待するとガッカリするかもしれません。が、アンビエントやポストロック、エレクトロ・ロック色を好むテクニカル志向のリスナーなら間違いなく気に入るはず。ちょっと毛色は違うかもしれませんが、ここ数作のMUSEを受け入れられる方にこそ、まず本作に触れてみることをオススメします。
また、今作の興味深いポイントにトリップホップにも通ずる世界観が感じられることも挙げられると思います。面白いことに、本作の日本盤ボーナストラックにはMASSIVE ATTACK「Angel」のカバーが収録されており、奇しくもトリップホップつながりで奇跡的なシンクロを遂げております(いや、奇跡も何も、MASSIVE ATTACKからの影響があったからこういう路線に進化したんだろうけど。なので、カバーも納得いくわけです)。
ひとつの場所にとどまらず、常に変化を続けていくという強い意志が感じられる本作。上記のバンド/アーティスト名に引っ掛かりを感じた人は、間違いなく気に入るはずです。もっと言えば、本作はSIGUR ROSあたりとの共通点も見受けられるので、ぜひともメタル村の外の人たちにもっと見つかってほしいと願っております。
▼LEPROUS『PITFALLS』
(amazon:日本盤CD / 海外盤CD / MP3)
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