BAD OMENS『FINDING GOD BEFORE GOD FINDS ME』(2019)
2019年8月初頭にリリースされた、BAD OMENSの2ndアルバム。日本盤未発売。
2016年夏、Sumerian Recordsからアルバム『BAD OMENS』でデビューを飾ったアメリカ産のメタルコアバンド。当時はツインギター編成の5人組でしたが、前任ベーシストが怪我で脱退してからは、ギタリストのひとりがベースに転向し、残された4人で活動を継続。その新体制で制作されたのが、この3年ぶりの新作です。
フロントマンであるノア・セバスチャン(Vo)の過去の発言やそのボーカルスタイルから、BRING ME THE HORIZONと比較されることの多かった彼ら。散々言われたからか、本作からはそういった色合い(特にボーカルスタイルから)は払拭されつつあります。とはいえ、やっぱり好きなんだろうな……と感じさせるポイントも要所要所で残されており、そこを好意的に受け取るか、あるいは単なるフォロワーとして切り捨てるかで、このバンドに対する評価も大きく変わるのではないかと思います。
ですが、本作はそういった穿った見方を悔い改めたくなるくらいよくできた1枚。オープニング「Kingdom Of Cards」での穏やかな歌モノ/ポップ路線には面食らいますが、続く「Running In Cricles」では前作にあった激しさが増し始める。先行公開されたキャッチーな「Careful What You Wish For」のムーディな作りは最近の(無理やり見ようとすれば)BMTHとの共通点も見つけられるものの、4曲目「The Hell I Overcame」から続く数曲で展開されるハードコアなサウンド/アレンジは圧巻の一言。適度なキャッチーさも備わっており、ただ激しく“押す”だけでは終わらない魅力が至るところに散りばめられている。5曲目「Dethrone」のカオスさや6曲目「Blood」でのモダンメタル的味付けなど、とにかく1曲1曲が個性的でまったく飽きがこないんです。
特に印象的なのが、終盤に収められた「Said & Done」と「Burning Out」というムーディな2曲。前者はLINKIN PARKなどモダンメタルコア以前のニューメタル的な香りが強く、後者はそれこそBMTH以降のポストハードコアといったイメージ。同じようなスタイルでも、ルーツの異なる2曲を並べることでその違いを見せつける構成に、思わずニヤリとしてしまいます。
そして、ラストを飾る「If I'm There」。これも穏やかな楽曲なのですが、前2曲からの流れといい非常にニクい構成だなと思います。オープニングのソウルフルな流れとこのエンディング。どこまで計算づくで配置したのか、個人的にも一度メンバーに聞いてみたいくらいです。
確実に前作よりスケールアップを果たした本作は、現在のBMTHほど“外側への開放”は感じられませんが、狭いシーンの中から飛び出そうとする気概は十分に伝わってくる、非常に好感の持てる1枚です。いや、これは年間ベストクラスなんじゃないの?
▼BAD OMENS『FINDING GOD BEFORE GOD FINDS ME』
(amazon:海外盤CD / MP3)
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