EMINEM『THE SLIM SHADY LP』(1999)
1999年2月にリリースされたエミネムのメジャー1stアルバム(通算2作目)。日本盤は同年4月に発売。
リードシングル「My Name Is」が全米36位/全英2位というヒットを記録し、アルバム自体も全米2位/全英10位まで到達。アメリカのみで400万枚を超える大ヒット作となりました。
のちのエミネムのアルバム、特に次作『THE MARSHALL MATHERS LP』(2000年)以降って負の感情や怒りを前面に打ち出した作風という印象が強く、僕のようなヒップホップ・ライト層にはアルバムによっては1枚聴くのにかなり体力を使うものも少なくありません。そんな中で、本作『THE SLIM SHADY LP』って意外と気軽に聴ける1枚なんですよね。
もちろん本作にも怒りの要素は含まれているし、全体的にも(ポジティブというよりは)ネガティブな要素が強めです。が、オープニングを飾る「My Name Is」のシニカルさ、その後続いていく“どこか哀愁味の漂う”楽曲群と、中二(というよりも厨二かな)感覚で楽しめる世界観がとても気持ちよく響く。だから、僕のような「ヒップホップをメインで聴く」というよりは「ラップメタルの延長で触れる」リスナーにも優しいのかもしれません。
最初の出会いは、1999年春にクラブイベントで耳にした「My Name Is」でした。ラップメタルやBEASTIE BOYSなどの合間に流れたこの曲に一気に惹きつけられた自分は、その後アルバムを購入するわけです。
エミネムのラップが技術的に非常に優れていることは、素人の僕にも「My Name Is」1曲を聴いただけで一“耳”瞭然でした。アルバムを通しても強弱の効いたすごく聴きやすいフロウはすごく耳に残ったし、何よりも聴いていて気持ちいい。そのバックで鳴るシンプルなトラックも、適度にメロウで低音の効いた気持ち良いものが多く、そりゃ聴きやすいわけだと納得するわけです。
特にクラブのような爆音で、しかも低音を強調した環境でこのアルバムの楽曲を聴くと、改めてそのすごさが理解できるわけです。そういう意味では、CDやネットからではなく、クラブという特殊な環境でエミネムに出会ったことが自分にとって非常に大きかったのかもしれません。そうじゃなければ、毎回アルバムを楽しみにしていたり、初来日となった2001年のフジロックを心待ちにしませんから。
最近、仕事の関係で改めてこのへんのヒップホップをよく聴くのですが、リリースから20年経った今聴いても本当に素晴らしい、後世に伝えたい傑作のひとつです。
▼EMINEM『THE SLIM SHADY LP』
(amazon:日本盤CD / 海外盤CD / MP3)
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