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2020年1月10日 (金)

DAVID BOWIE『EARTHLING』(1997)

1997年2月初頭にリリースされたデヴィッド・ボウイ通算20作目のオリジナルアルバム。前作『1. OUTSIDE』(1995年)から1年5ヶ月という非常に短いスパンで制作・発表されました。

当初、『1. OUTSIDE』を筆頭にブライアン・イーノとタッグを組んだ5部作の制作を予定していましたが、同作が思った以上のヒットを果たせず(その前の『BLACK TIE WHITE NOISE』が全英1位を獲得したのに対し、次作は8位止まり。セールス的にも半減しています)、次回作の制作は無期延期に。代わりにボウイは、自身がプロデュースの中心となり新たな方向性を模索します。

ナイル・ロジャースと10年ぶりのタッグが実現した『BLACK TIE WHITE NOISE』、イーノとも10数年ぶりに共演した『1. OUTSIDE』と、過去のパブリックイメージから解放されたボウイは自由奔放に音楽制作と向き合い始めた時期でしたが、このセルフプロデュース作(共同プロデューサーにバンドのギタリストであるリーヴス・ガブレルスと、ニューヨークで活躍するマーク・プラティの名も)では当時クラブシーンで盛り上がっていたドラムンベースやジャングルを基盤に、『1. OUTSIDE』を携えたワールドツアーの充実感を表すバンドサウンドをミックスさせた意欲的な楽曲を聴かせてくれます。

1997年というと、その年の春にはTHE CHEMICAL BROTHERS『DIG YOUR OWN HOLE』を発表し全英1位/全米14位のヒットを記録、THE PRODIGYも同年夏に『THE FAT OF THE LAND』が全米/全英1位を記録するなど、最新のダンスミュージック/クラブミュージックが一気にメジャー化したタイミング。そういった意味ではボウイ、先見の明があったのかもしれません(単純に流行りものが好きなだけという話もありますが)。

しかし、ボウイ流にドラムンベースを解釈した楽曲群は、決してそれらをまんま模倣したわけではなく、リーヴスのギターがうねりを上げ、マイク・ガーソンのピアノがジャジーな雰囲気を作り上げたりと、良い意味での違和感を残す作風となっている。打ち込みビートに生のリズム隊を重ねて人力ドラムンベース化していたり、またある曲では普通にハードロックのフォーマットの上にドラムンベースのリズムが乗っていたりと、ボウイらしい工夫は至るところから感じることができます。

とはいえ、実は本作はリリース当時、あまり評価が高くなかった印象があります。「またボウイが流行りに乗った」「せっかく『1. OUTSIDE』でイーノとタッグ組んだのに、次がこれか……」とか。実際、チャート的には全英6位止まり、セールス面でも前作とほぼ同等となかなか伸び悩みましたが、「Little Wonder」(全英14位)、「Dead Man Walking」(同32位)とヒットシングルも生まれております。あ、アメリカでは「I'm Afraid Of Americans」がリカットされ、最高66位を記録。同作のMVにはトレント・レズナー(NINE INCH NAILS)が出演して話題にもなりました(同曲のリミックスも手掛けていますしね)。

 


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