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2020年1月17日 (金)

FRANCIS DUNNERY『WELCOME TO THE WILD COUNTRY』(1991)

IT BITESフランシス・ダナリーが1991年11月に発売した初ソロアルバム。当初はVirgin Japanを通じて日本のみのリリースでしたが、のちに海外でも発表されたようです(2001年には彼自身のプライベートレーベルから、リマスター&ボーナストラック追加で再発されています)。

1990年夏にバンドを脱退したフランシスはイギリスからLAに渡り、「テクニカル・バンドの枠に収まりたくない」という思いからネオ・プログレッシヴロック=ポンプとは異なるバンド結成を画策。マイケル・リア(B/アルバムクレジットではヴェガス・レアと記載)、エディ・バッダー(Dr/同、ナン・バッダーと記載)をオーディションで迎え、IT BITESの4thアルバムを一緒に制作する予定だったデヴィッド・ヘンツェル(GENESIS、マイク・オールドフィールド、BRAND Xなど)とともにレコーディング。まだバブルの余韻が残っていたのでしょうか、日本のVirgin Japanのバックアップでここまでのデビューアルバムを完成させたわけです(今の時代じゃ考えられないことですが)。

本作はプログレッシヴロックというよりもハードロックやブルースロックの色合いが強い、自由度の高い内容に仕上がっています。それは、きめ細かに作り込まれた楽曲が目立ったIT BITESとは相反し、スタジオセッションでのナマ感がそのまま採用された作風に強く表れていると思います。

オープニングの「Jack Won’t Let You Go」、続くタイトルトラック「Welcome To The Wild Country」のカッコよさたるや。“Very British”な作風だったIT BITESを愛するファンからしたら、このアメリカナイズされた楽曲&サウンドは絶望を覚えるレベルかもしれませんが、ことIT BITESに関しては完全に後追いだった僕からしたら本作は「純粋にカッコいいハードロックアルバム」の1枚でしかありませんでした。

アンチ・テクニカルを掲げてIT BITESを脱退したフランシスですが、本作でのギタープレイはかなりの技巧派で、テクニカルの範疇に含まれるものだと思います。が、それらのプレイが設計図どおりに作られたものではなく、その場の感情・思いつきによって奏でられたものであることは、このアルバムを聴けばご理解いただけるはず。つまり、テクニックの使い方の違いが大きいわけです。僕はIT BITESでの表現も(今となっては)大好きですが、本作で表現されているスタイルもお気に入り。つまり、いろんな引き出しを持つフランシス・ダナリーってカッコいいと思うわけですよ(単純な話ですが)。

「Kiss Me」みたいなブルースロックもたまらないし、どこかIT BITES時代にも通ずる空気感を持つ(だけど良い意味でアメリカナイズされた)9分近い大作「Jackal In Your Mind」も素敵。「Heartache Reborn」のようなポップチューンも、「All I Ever Wanted Was You」という豪快なロックナンバーも、皮肉に満ちた歌詞が最高なアコースティックバラード「Another Day」も、どれを取っても最高の一言。女性コーラスが加わることでゴージャスさが増している点も、本作を良い方向に導いていますし、個人的には90年代の名盤のひとつに挙げたい「もっと知られるべき」1枚だと確信しています。

だけど、このアルバム発表後にまさか彼がロバート・プラントのツアーバンドに加入することになるとは、さすがに想像もしてなかったけどね(笑)。

 


▼FRANCIS DUNNERY『WELCOME TO THE WILD COUNTRY』
(amazon:日本盤CD / 海外盤CD / MP3

 

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