LOVEBITES『ELECTRIC PENTAGRAM』(2020)
2020年1月下旬にリリースされた、LOVEBITESの3rdフルアルバム。
過去2作のアルバムはリリースの数ヶ月前にEPを発表し、その流れからアルバムという形を取っていました。ですが、今回は2ndアルバム『CLOCKWORK IMMORTALITY』(2018年)のあとにはライブアルバムおよび映像作品『DAUGHTERS OF THE DAWN - LIVE IN TOKYO 2019』(2019年)を発表したのみ。いや、それでもアルバム間隔が1年2ヶ月と非常に短いんですけどね。というか、それ以前の制作ペースが異常なだけだったのか(苦笑)。
そんなわけで、1年ちょっと間が空いたように見えますが、実はこの新作の制作は前作『CLOCKWORK IMMORTALITY』完成後には始まっており、ドラムのレコーディングが2ndアルバム発売後、海外ツアーに向かう前には済ませていたとのこと(某メンバー談。近日発売の音楽誌でのインタビューより)。おいおい、何やってんだよ(苦笑)。
前作は1stアルバム以上に幅の広がった音楽性に賛否両論の声が上がったようですが、結果としてライブの見せ方も広がったことからバンドとして一段アップしたように映りました。しかも、その5ヶ月前には4曲入りEP『BATTLE AGAINST DAMNATION』(2018年)も発表していましたし(本作の4曲は2ndアルバム未収録)。ここまで制作が続くと、正直“枯れて”しまわないかと心配になるわけです。
ところが、今回のニューアルバム。全12曲の完全新曲で構成されているわけです。前作(10曲)よりも曲数が増えている。しかも、トータルランニングも前作の53分半から一気に70分半に大拡張!(笑) 1stアルバム『AWAKENING FROM ABYSS』(2017年)も12曲入りですが、トータルランニングは61分止まりでしたから、今回は1曲1曲がいかに長いかが伺えます。
実際、4分台以下は皆無で、5分台が7曲、残り5曲が6分台。そりゃあメタルは“長い”です。特に歌よりインスト(ギターソロ)パートが数分ある曲も少なくないので、当たり前っちゃあ当たり前かもしれませんが、ここまで振り切ったのは正直勇気がいったんじゃないかと思います。だって、切ろうと思えば2曲くらい切って、60分前後に収めることだってできるわけですから。でも、それをしない。それだけ聴かせたい曲があったから。
その“聴かせたい曲”たちの完成度ですが……驚いたことに、前作を軽く超えるクオリティなのです。前半はパワーと速さで押す楽曲が続き、その中にもメロディやアレンジで変化を付けている。クサメロナンバーの合間に「Holy War」や「Raise Some Hell」のような変化球もしっかり用意されており、決して聴き疲れたり飽きること皆無。しかも、メロディが非常に素晴らしいと思うのです。
さらに、それらを歌うasami(Vo)の歌唱力・表現力の進化。これにも驚かされます。前作でもかなりの伸びが感じられましたが、本作での歌唱スタイルはそれ以上のものが伝わります。ぶっちゃけ、この新作を聴き終えたあとに1作目のEP『THE LOVEBITES EP』(2017年)を聴き返すと完全に別人ですからね。
で、アルバム後半はさらなる変化球がたくさん用意されており、まったく聴き飽きることがない。「A Frozen Serenade」や「Dancing With The Devil」といったミドルヘヴィナンバー、シャッフルビートを用いた「The Unbroken」、そして超絶スラッシュナンバー「Set The World On Fire」にラストを飾るドラマチックな「Swan Song」。今回は前作における「Epilogue」のようなスローバラードこそありませんが、逆にここまで潔い作風だと「これはこれであり!」と思わされてしまいます。
いやあ、舐めてましたわ。そろそろマンネリ化してもおかしくないよね、1曲くらいそういう曲が入っていても仕方ないよねと保険をかけていた自分をぶん殴りたい。それくらい首尾一貫メタルの塊。おそらく海外でのリリース情報も追ってアナウンスされると思いますが、この強力な新作が世界でどう評価されるのか。早くも日本では前作以上の売り上げを記録しているようですし(祝・オリコンデイリーチャートTOP10入り!)、彼女たちの成功が海外のみならず日本の状況も変えてくれることを信じています。
▼LOVEBITES『ELECTRIC PENTAGRAM』
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