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2020年1月26日 (日)

BLACK SABBATH『HEAVEN AND HELL』(1980)

1980年4月に発売されたBLACK SABBATHの9thアルバム。日本盤も同年に発表されており、当時のライナーノーツの執筆日付が「1980年4月」となっていることから、同年6〜7月頃に発売されたのではと推測します。

約10年にわたり、計8作のスタジオアルバムをオジー・オズボーン(Vo)、トニー・アイオミ(G)、ギーザー・バトラー(B)、ビル・ワード(Dr)という編成で作り続けましたが、オジーの脱退によりこの編成も崩壊。一時はギーザーも脱退してしまいますが、最終的にロニー・ジェイムズ・ディオ(Vo / ex. RAINBOW、ex. ELF)、トニー、ギーザー、ビルという布陣でレコーディングに突入します。

過去2作ではセルフプロデュースに挑んでいましたが、今作ではマーティン・バーチ(DEEP PURPLEIRON MAIDENWHITESNAKEなど)がプロデュースを担当。サポートメンバーにジェフ・ニコルス(Key / ギーザー脱退中にベーシストとして加入。その後、キーボードにシフト)を迎え、新たなサバス像を完成させます。

本作にはオジー期サバスを象徴するような「リフでグイグイと、引きずるように引っ張るヘヴィでスローなメタルチューン」とは異なり、ディオがRAINBOWから持ち込んだ「ドラマチックな展開を持つ様式美的展開」と「高低の幅が広いメロディを歌い上げる高性能シンガー」という要素が良いスパイスとなり、「サバスのようでサバスではない、RAINBOWのようでRAINBOWではない何か」を完成させています。

とにかく、冒頭の疾走ナンバー「Neon Knight」からして文句なしの仕上がりですし、続くミドルテンポのヘヴィチューン「Children Of The Sea」も圧巻の構成。この2曲だけで掴みは完璧なんです。トニーのリフワークも冴えているし、かつソロプレイも充実度が高い。「Children Of The Sea」での粘っこいソロはメタル史に残したい名プレイのひとつだと断言します。

RAINBOW時代を思わせるロックチューン「Lady Evil」があったり、名曲中の名曲「Heaven And Hell」、軽快さとスリリンスさが共存する「Wishing Well」、ドラマチックなファストナンバー「Die Young」、「Lady Evil」と同じ流れにある「Walk Away」、そしてアルバムラストを飾るヘヴィな「Lonely Is The Word」。全曲が同じレベルで優れているとは言い難いかもしれませんが、前作『NEVER SAY DIE!』(1978年)で到達したポップなハードロック路線も残しつつ、それらを“歌える”シンガーに歌唱させることで完成度を高める。さらに、“ディオらしい”ドラマチックさが加わったことで、ヘヴィはヘヴィでも初期のテイストとは若干質の異なるヘヴィさを生み出すことに成功。イギリスで新たなHR/HMの潮流が散見され始めたタイミングに、若手に負けじと新たなチャレンジに挑み、その勝負に見事勝利した……そんな奇跡の1枚が本作と言えるでしょう。

初期サバス原理主義者からは敬遠される1枚かもしれませんが、個人的には本作を“サバスとして認め”ない人は信用できないし、信用しません。だって、『HEAVEN AND HELL』を否定することは、『HEADLESS CROSS』(1989年)も『CROSS PURPOSES』(1994年)も否定することと同義になってしまいますから。良いものは良い、それを素直に受け止める世代を信じたいと思います。

 


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