GREEN DAY『FATHER OF ALL MOTHERFUCKERS』(2020)
GREEN DAYが2020年2月初頭に発表した、通算13作目のオリジナルアルバム。なんて素敵なタイトルなんでしょう(笑)。そこだけで評価が上がります。
パワーポップやガレージロック色が強かった3部作(『¡UNO!』『¡DOS!』『¡TRÉ!』)を経てパンクロックへと原点回帰した前作『REVOLUTION RADIO』(2016年)から3年4ヶ月を経て届けられた本作。結局、前作を携えた来日は実現しませんでしたが、このニューアルバムリリースから2ヶ月経たずして久しぶりのジャパンツアーが実現します。ということは、このニューアルバムからの楽曲が中心になるわけですよね……。
さて、その待望の新作。今回も見事にそのスタイルを変化させています。ビリー・ジョー・アームストロング(Vo, G)はこのアルバムを表現する際、ソウルやモータウン、グラムというキーワードを用いています。と同時に、パンクやアンセム(anthemic)というワードも忘れていません。
間違いなく、ここで表現されているサウンドはパンクロックでしょう。しかも、GREEN DAYらしいポップパンクであると。しかし、そのテイストに上記の要素がミックスされることで、過去のポップパンク風作品……例えば代表作のひとつである『DOOKIE』(1994年)とは異なる歪さを見せているわけです。
ブラックミュージックからの強い影響、サウンドの質感や音使いが非常に現代的で昨今のモダンポップと比較してもなんら違和感がないこと、ミックスでひと昔前の北欧ガレージロック的な雰囲気を醸し出していることから、THE HIVESやCAESARSあたりとの共通点も見つけられることでしょう。
ですが、この要素って急にポッと現れたものでしたっけ? 僕、本作を聴いたときに最初に思い浮かべたのが『AMERICAN IDIOT』(2004年)だったんですよね。思えば、ジャケットのアートワークも『AMERICAN IDIOT』がモチーフになっていますし。もちろん、『AMERICAN IDIOT』で奏でていたサウンドや楽曲を今っぽく焼き直ししているわけではなく、それ以降のアルバムで得た経験も反映させた、新しい形のモダン・ポップパンクが表現されているんじゃないか。そう思わずにはいられません。
よくよく考えてみると、GREEN DAYでもっとも好きなアルバムが『WARNING』(2000年)という人間なので、本作に対して「売れない」とか「駄作」と三行半を突きつける“ファン”と意見が合わないのは当たり前のこと。『¡UNO!』『¡DOS!』『¡TRÉ!』だって嫌いじゃないですし(さすがに3枚はやりすぎだと思ったけど)、この新作も意外とリピートしまくることになるんじゃないか……そんな気がしています。
あと、時代に合わせてなのか、それともパンク本来の形に戻ってなのか、10曲で26分強というトータルランニングも素敵。ますます応援したくなりました。これくらいでいいんだよ。だって、ロックバンドなんだから。
▼GREEN DAY『FATHER OF ALL MOTHERFUCKERS』
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