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2020年2月 2日 (日)

ANNIHILATOR『BALLISTIC, SADISTIC』(2020)

2020年1月下旬発売の、ANNIHILATOR通算17作目のオリジナルアルバム。

デイヴ・パッデン(Vo, G)の脱退を経て制作された前々作『SUICIDE SOCIETY』(2015年)から再びジェフ・ウォーターズ(Vo, G)がリードボーカルを採る編成に立ち返ったANNIHILATOR。以降、16thアルバム『FOR THE DEMENTED』(2017年)、ライブCD+映像作品『TRIPLE THREAD』(2017年)と順調に作品を重ねており、スタジオ作としては前作にあたる『FOR THE DEMENTED』も切れ味鋭いスラッシュチューンを存分に味わえる力作として、概ね好評を得たのではないかと記憶しています。

続いて届けられた今作『BALLISTIC, SADISTIC』ですが、クレジット上ではジェフのほかアーロン・ホンマ(G)、リッチ・ヒンクス(B)、ファビオ・アレッサンドリーニ(Dr)の4人がメンバーとして名を連ねていますが、レコーディングに参加したのはジェフとファビオの2人のみ。前作ではジェフがドラム・プログラミングまで含めてほぼすべての演奏を手がけましたが(1曲のみアーロンがリードギターを担当)、今作も基本的にそういうノリなんでしょうね。ドラマーが参加してはいるものの、シンバルやハイハットの音色的にどうも生っぽくないので、ファビオ自身がドラマーとしてプログラミングしている可能性もなきにしもあらずですが。

けど、そういった要素がこのアルバムにとってマイナスになっているかと問われると、答えはノー。これ、本当にすごいんですわ。

何がすごいって問われると、非常に言語化に困るのですが……うん、前作までの勢いやアグレッシヴさはそのままなのですが、作風やまとまり方が初期のアグレッションに立ち返っているような印象を受けるのです。モダンなヘヴィメタル、ブルータルメタルの要素よりも、80年代後半から90年代初頭に彼らが持ち合わせていたインテレクチュアル・スラッシュメタル的な緻密さ……もっと言えば、最初期のMEGADETHが得意とし、そこを引き継いだであろう初期のANNIHILATORのスタイルを、デビューから30年経った今のANNIHILATORが表現したらどうなるのか? そんな命題と向き合ったのが本作なのでは……という感じてしまうわけです。

なもんですから、悪いわけがない。ジェフ自身の原点にしてもっとも得意としていたスタイルを見つめ直し、ギタリストとしてはもちろんのこと、シンガーとしてもひと回りもふた回りも大きく成長した今だからこそ、彼がドラム以外のすべての楽器を自由に操り、ボーカルまでもをコントロールしている。そりゃあ最高に違いないわけですよ。

ここまで捨て曲が一切なく、かつ首尾一貫して暴力的で攻撃的な本作は、間違いなくANNIHILATORの代表作と呼ばれることになるでしょうし、なんなら(2020年時点における)最高傑作と言い切ってしまってもいいかもしれません。年明け1ヶ月経たないタイミングに、こんなにも強烈なインパクトを残すANNIHILATOR、おそるべし。ぜひこの編成によるライブも一度体験してみたいものです。

 


▼ANNIHILATOR『BALLISTIC, SADISTIC』
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