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2020年2月15日 (土)

DON DOKKEN『SOLITARY』(2020)

DOKKENのフロントマン、ドン・ドッケンが2020年1月末に発表したソロアルバム。日本盤未発売。

ドン・ドッケンはDOKKENの最初の解散(1989年)にソロプロジェクトから派生したバンドDON DOKKEN名義で『UP FROM THE ASHES』(1990年)というアルバムを発表していますが、今作は純粋なる個人名義での1枚となります。

もともとは2008年10月、当時行われたドンのソロツアーにあわせてライブ会場で限定販売された同タイトルの9曲入りアルバムがオリジナル。その後、2016年のDOKKENオリジナルラインナップでの日本公演でも同作品が限定販売されましたが、どちらも一般流通はなし。それが3曲の未発表トラックを追加&ジャケットのアートワークをリニューアルして、急遽一般発売されたわけです。

聴いてもらえばおわかりのとおり、本作はアコースティックサウンドをベースにした、HR/HMとは程遠い内容。もともとテクニックだったり歌唱力の高さが売りのシンガーではありませんでしたが、そこに加えてパワフルさや高音域がてんでダメになってしまった2000年代以降のドンにあわせた、中音域の魅力が存分に楽しめる楽曲が並んでいます。

でね、これがなかなか良いんですよ。パワー不足が否めない今のドンにはこの手のサウンドが本当にぴったりですし、この下手に歌い上げない(悪く言えば抑揚のあまりない)歌唱が隙間の多いアコースティック編成にも合っている。もっと言えば、ピアノとの相性がここまで良いんだと驚かされました。

演奏で参加している面々もなかなかのもので、トニー・フランクリン(B/ex. BLUE MURDERなど)やヴィニー・カリウタ(Dr/フランク・ザッパ、スティングMEGADETHなど)、マイケル・トンプソン(G)など普段の彼の作品からかけ離れた面々ばかり。そこに、『UP FROM THE ASHES』でもタッグを組んだウィン・デイヴィスがプロデュースや楽器演奏でも加わり、ドンの魅力を見事に引き出すことに成功しています。

ビートルズであったり、あるいはアコースティック編成のLED ZEPPELINだったり、いろいろルーツが垣間見える1枚ですが、唯一いただけないのがセリーヌ・ディオンの大ヒット曲カバー「My Heart Will Go On」。

映画『タイタニック』でおなじみの1曲ですが、これに関しては……忘年会の二次会で、酔っ払った上司が自分の歌にうっとりしながら聞かせるジャイアン・リサイタルのようで、ぶっちゃけ興醒めです(笑)。なんでもしっとり表現すればいいってものではないのですよ。特にこの曲に関しては、原曲のイメージおよびパワーが壮絶すぎるので、“歌えない”フロントマンにこういう形でカバーされても……これがパワーバラード調でがっつり歌い上げていたら、また違ったんでしょうね。残念極まりない。

でも、それ以外は平均点以上の出来だと思うので、心や耳を休めたいときにBGMとして楽しむのに最適な1枚です。

 


▼DON DOKKEN『SOLITARY』
(amazon:海外盤CD / 海外盤アナログ / MP3

 

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