SUICIDE SILENCE『BECOME THE HUNTER』(2020)
SUICIDE SILENCEが2020年2月中旬に発表した6thアルバム。
ミッチ・ラッカー(Vo)の急逝後、ALL SHALL PERISHのエディ・ヘルミダが加入して奇跡の復活作『YOU CAN'T STOP ME』(2014年)で全米16位という過去最高記録を打ち出したSUICIDE SILENCE。しかし、続く5thアルバム『SUICIDE SILENCE』(2017年)ではクリーン・ボーカル中心のメロウな作風が賛否(というよりも、主に否の声)を呼び起こし、最高163位と大きく失速してしまいます。
あれから3年。ようやく届けられた新作は、前作でのロス・ロビンソンからスティーヴ・エヴェッツ(EVERY TIME I DIE、THE DILLINGER ESCAPE PLANなど)をプロデューサーに、ジョシュ・ウィルバー(LAMB OF GOD、GOJIRAなど)をミックスエンジニアに迎えて制作。再びデスコア路線へと路線を戻した、アグレッシヴな1枚に仕上げられています。
オープニングのインスト「Meltdown」にワクワクしつつ、続く「Two Steps」でのスクリーム&グロウルに「そうだよ、これこれ!」と膝を叩くこと連発。ミドルテンポの中にブラストビートなどを織り込むことで、疾走感はそこまで強くないもののなぜか高揚感だけは増し続けるという不思議な現象を起こし続けてくれます。
とにかく、グルーヴィーなドラミングとそれにシンクロするギターリフのザクザク感が気持ち良いナンバーが終始続く1枚。アグレッションに関しては前作の比ではないですし、個人的には前々作『YOU CAN'T STOP ME』よりも好きな作風かもしれません(『YOU CAN’T STOP ME』は新ボーカリストを迎えた様子見の1枚という趣もありましたしね)。
エディのボーカルワークも本領発揮と言わんばかりに、首尾一貫して叫びまくり。個人的にALL SHALL PERISHのアルバム『THIS IS WHERE IT ENDS』(2011年)が大好きで当時よく聴きまくった1枚だったので、なんとなくあの頃のデスコアが戻ってきてくれたような錯覚に陥り、うれしくてたまりません。
しかし、ALL SHALL PERISHもそうですし、過去のSUICIDE SILENCE(ミッチ時代)と比べるとスピード感に少々物足りなさを感じるかもしれません。その突進するファストさこそが醍醐味と思っていた人には、本作も前作同様に「捨て作」になってしまうんでしょうか……しかし、このグルーヴ感こそが2020年的と解釈すれば、本作は現在のシーンにおいてかなり高品質な1枚に入るのではないでしょうか。
現時点では『THE BLACK CROWN』(2012年)など過去の名盤と肩を並べたとは言い難いかもしれない。けど、これはこれで間違いなく今の感覚にフィットしている。またも賛否を呼びそうな内容ですが、個人的には(特に今回は)高く評価したいと思います。
▼SUICIDE SILENCE『BECOME THE HUNTER』
(amazon:国内盤CD / 海外盤CD / 海外盤アナログ / MP3)
« DIO『STRANGE HIGHWAYS』(1993) | トップページ | KNOCKED LOOSE『A DIFFERENT SHADE OF BLUE』(2019) »
「2020年の作品」カテゴリの記事
- KIX『MIDNITE DYNAMITE』(1985)/『MIDNITE DYNAMITE: RE-LIT』(2020)(2022.11.09)
- ALTER BRIDGE『WALK THE SKY 2.0』(2020)(2022.10.28)
- GAUPA『FEBERDRÖM』(2020)(2022.05.10)
- GINGER WILDHEART『HEADZAPOPPIN』(2019)(2022.05.06)
- RINA SAWAYAMA『SAWAYAMA』(2020)(2022.04.25)
「Suicide Silence」カテゴリの記事
- SUICIDE SILENCE『THE BLACK CROWN』(2011)(2020.09.26)
- SUICIDE SILENCE『BECOME THE HUNTER』(2020)(2020.02.26)