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2020年3月26日 (木)

THE MISSION『CHILDREN』(1988)

1988年2月初頭にリリースされたTHE MISSIONの2ndアルバム。日本盤は少々遅れ、同年5月下旬に発表されました。

1stアルバム『GODS OWN MEDICINE』(1986年)、活動初期に発表したEP収録曲をまとめたコンピ盤『THE FIRST CHAPTER』(1987年)に続いて制作された本作は、プロデューサーに元LED ZEPPELINのジョン・ポール・ジョーンズを迎え、ゴシック・テイストを残しつつも少々硬質化させたサウンドが時代にフィットしたこともあり、全英2位という好成績を残しています。さらに、「Tower Of Strength」(全英12位)、「Beyond The Pale」(同32位)というヒットシングルも生まれており、個人的には1stアルバムに並ぶ代表作のひとつと思っております。

いわゆる80年代的なニューウェイヴがかった、薄皮1枚被せたようなどんより感と、メジャーシーンで活動するバンドらしいキラキラ感も散りばめられた、“ちょうどいい塩梅”のハードさとポップさを併せ持つゴシックロックは、僕らのようなハードロック耳のリスナーにも十分親しめるもの。80年代はまだ賛否分かれたところでしょうけど、何周もして、いろんな要素を飲み込んで勢力を拡大させてきた今のヘヴィロック/ハードロック・シーンに片足を突っ込んだ人なら、間違いなく受け入れられやすい内容だと思います。

そりゃあイマドキのゴシックメタルなどと比べたら音は薄っぺらいですし、ボーカルも弱々しいかもしれません。が、そういったジャンルのルーツと考えれば十分に楽しめる作品ですし、むしろジョン・ポール・ジョーンズらしいオーケストレーションが加えられたアレンジの数々、ウェイン・ハッセイ(Vo, G)による哀愁味の強いボーカルは2000年代以降のゴシックメタル、ゴシックパンクを愛聴するリスナーにこそ聴いていただきたいなと。

また、「Heaven On Earth」や「Tower Of Strength」で鳴り響くパーカッション、および全体的に漂うトラッド色はツェッペリンにも共通するものがありますし、AEROSMITHの原曲をよりゴシック色豊かかつ壮大にバージョンアップさせた「Dream On」のカバーなど含め、クラシックロックをベースに深化したニューウェイヴのひとつの進化する道として、オーソドックスなハードロック・リスナーにも触れてほしい1枚です。

にしても、10代の頃はここまで好意的に受け取ることができなかった本作。単純に「Dream On」のカバー目当てで手を出したものの、ほかの曲にはそこまで惹きつけられなかったんだよな。ところが、大人になった今では「Beyond The Pale」や「A Wing And A Prayer」「Kingdom Come」「Child's Play」など、聴きどころ満載なことに気づかされるわけですから(「Child's Play」なんて完全にメタルファン向けの1曲ですものね)。改めて、「いろんなジャンルに触れてから昔苦手だったものに再び手を出すと、意外とイケたりする」の、大事ですね。

 


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