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2020年3月13日 (金)

H.E.A.T『H.E.A.T II』(2020)

2020年2月中旬にリリースされたH.E.A.Tの6thアルバム。

スウェーデン出身のシングルギター、キーボードを含む5人組バンドH.E.A.Tはいわゆる“80年代のスタジアム・ロック”をベースにしたスケール感の大きなハードロックサウンドを武器にしながらも、北欧らしい繊細さを随所に感じさせるメロディが魅力。そういう要素もあってか、ここ日本でもそれなりに高い人気を誇り、過去数回にわたる来日公演が実現しています(この新作を携えた再来日公演も、今年3月後半に予定されているのですが……)。

デビュー作にしてセルフタイトルアルバムとなった『H.E.A.T』(2008年)に次ぐ『H.E.A.T II』と題された本作は、ある種原点回帰的な意味合いもあるのかもしれません。が、展開されているサウンドの指向性は前作『INTO THE GREAT UNKNOWN』(2017年)からそこまで大きく変わったようには感じられず、むしろ前作で示した方向性をさらにブラッシュアップし、1曲1曲の完成度を高めた内容と受け取ることができます。

パワフルなボーカルとキレの良いギターリフ&ソロ、キラキラしたシンセにビッグなコーラス。この時代、一歩間違えばギャグになりかねないスタイルですが、いかんせん曲の仕上がり/作り込みが細部にまで徹底していることもあり、ネタで終わることなく真剣に楽しむことができる。オープニングの「Rock Your Body」なんてタイトルからして2020年にありえない方向性ですが(笑)、ここまで真剣に(かつ情熱的に)演奏/表現されたら、わらうに笑えないですよ。

で、そこから「Dangerous Ground」「Come Clean」と曲が続くにつれて……自然と体がノッてくるし、なんならサビで拳を高く掲げる自分がいる(笑)。「Adrenaline」なんて、初めて聴いた瞬間に曲冒頭から真似して〈Wow〜Wow!〉ってシンガロングしてましたから。

1曲1曲の緩急の付け方もしっかり計算されており、同じミドルテンポでもリズムの取り方・組み立て方の違いでバリエーションを作っているので、聴き飽きることがない。もっとも、各曲ともメロディがキャッチーですぐに口ずさめるものばかりなので、歌モノとしてもまったく飽きがこないんですよね。

しかも、この手のバンドにありがちなパワーバラードが8曲目まで待たないと登場しないというこだわりもなかなかのものがあり(そこに頼ってないという意味で)、その「Nothing To Say」という楽曲もいわゆるアメリカンHR/HM側のパワーバラードというよりは、北欧HR/HM的な側面が強い作風なので好印象。本当に日本人が好きそうな楽曲ばかりですよね。

ラストナンバー「Rise」(日本盤は「Come Clean」のアコースティックバージョンを追加)まで、とにかく捨て曲なし。昨日のHAREM SCAREMじゃないけど、このような真っ当なハードロックバンドが世界的に正当評価される時代が再び訪れることを願ってやみません。

 


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