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2020年3月27日 (金)

THE CULT『CEREMONY』(1991)

THE CULTが1991年9月下旬に発表した、通算5作目のスタジオアルバム。日本盤は1ヶ月遅れの、同年10月末にリリースされています。

3rdアルバム『ELECTRIC』(1987年)で時代の寵児、リック・ルービンをプロデューサーに迎えハードロック・バンドへの転化を成功させたTHE CULT。続く4作目『SONIC TEMPLE』(1989年)では、これまた当時の人気プロデューサーであるボブ・ロックを迎え、よりタフでファット&ヘヴィに進化したサウンド、楽曲でリスナーを惹きつけ、全英3位/全米10位という大成功を収めました。

大ヒット作『SONIC TEMPLE』から2年半を経て発表された今作は、プロデューサーを新たにリッチー・ズィトー(CHEAP TRICKHEARTBAD ENGLISHなど)へと変更。いわゆる産業ロック的サウンドを得意とする人選ですが、展開されているサウンドそのものは『SONIC TEMPLE』の延長線上にある、より“深化”させたハードロックを楽しむことができます。

長年在籍したベーシスト、ジェイミー・スチュアートの脱退を経て、イアン・アストベリー(Vo)&ビリー・ダフィー(G)の2人体制で制作に臨み、リズム隊には前作にも参加のミッキー・カリー(Dr/ブライアン・アダムスなどでおなじみ)、キース・リチャーズのソロ作で知られるチャーリー・ドレイトン(B)を迎えてレコーディング。それもあってか、硬質なハードロックサウンドにも関わらず“ノリ”にしなやかさが加わっている印象を受け、聴きやすさという点においては前作以上のものがあります。

また、本作は全11曲で63分という長尺な作品で、5〜6分台の楽曲が中心。中には「White」のようにほぼ8分もある大作も含まれています。ミディアム〜スローな楽曲が大半ということもあり、これだけの長さになったのかな。オープニングの「Ceremony」からして6分半もあるのですが、このLED ZEPPELIN的な空気感/リズム感を持つヘヴィチューンで大体の雰囲気は掴めるはずです(前作の延長線上にあるという点において)。続く「Wild Hearted Son」も前作における「Fire Woman」的な作風ですし、「Earth Mofo」みたいなアップチューンも「If」のようにエモーショナルな泣メロナンバーも「Heart Of Soul」のように壮大さを持つ歌モノ・ミドルナンバーも含まれている。ただ、これらがすべて良い意味でカッチリ作り込まれすぎていないナチュラルさを放っているおかげで、前作の二番煎じでは終わらない新鮮味を感じながら楽しむことができるのです。

チャート的には全英9位/全米25位と前作から数字を落としていますが、アメリカでは100万枚超えと前作並みのセールスを残しています。音楽的な充実度という点においては、実は本作こそが“ハードロックバンド”THE CULTのピークだったのかな、と。HR/HMからグランジへとシフトしていく時代の間に産み落とされた、今こそじっくり聴くべき1枚です。

 


▼THE CULT『CEREMONY』
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