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2020年3月15日 (日)

CODE ORANGE『UNDERNEATH』(2020)

2020年3月中旬にリリースされたCODE ORANGEの4thアルバム。

前作『FOREVER』(2017年)は全米62位とチャート上で好成績を残したほか、海外の音楽サイトや音専誌にて年間ベストアルバムに選出されるという、強烈なインパクトを残しました。それだけでなく、同作は米・グラミー賞のBest Meta Performance部門にまでノミネート。次の作品で本格的にブレイクスルーするのではないか?と多くの音楽ファンが注目を寄せていました。

アルバムとしては約3年ぶりとなる本作。過去3作に携わってきたカート・バルー(CONVERGE)が初めて制作から外れ、ニック・ラスクリネクツ(MASTODONDEFTONESHALESTORMKORNなど)とメンバーのジャミー・モーガン(Vo, Dr)が共同プロデュースを手掛けております(前作にも携わったウィル・イップもコ・プロデューサーとしてクレジット)。また、NINE INCH NAILSMARILYN MANSONなどで知られるクリス・ヴレナなどがプログラミングで参加しており、前作でフィーチャーされ始めたデジタル/インダストリアル色をさらに強めることに成功しています。

まあとにかく。聴いてもらえばおわかりのように、前作からものすごいスピード感で進化しています。ハードコアがメタルやパンク、ヒップホップを飲み込み、インダストリアル風味で味付けた、血の通った肉感性と冷徹なマシーナリーの共存……という簡単な表現では伝わりきらないこの良い意味ですっきりさを残さない“ぶった斬り”感。暴力的とか破壊的とかそんな生易しいものではなく、聴き手の延髄に超高速で斧が飛んできたり、あるいは何トンもある巨大なハンマーで一瞬に潰されたりして(って前作のときとほぼ同じ表現だけど)、あたり一面に内蔵や脳髄が飛び散り、姿形が跡形もなく消される。それくらいの衝撃と狂気が冒頭の「(Deeperthanbefore)」からラスト(日本盤ボーナストラック除く)の「Underneath」までの47分に凝縮されているのです。

スピード感は終盤に用意された「Black Inside The Glass」以外はほぼ皆無ながらも、ミドルテンポ中心に突き進む作風はとにかく残虐の一言。そんな中に、日本語で「ただひとり」というセリフ(サンプリング)がフィーチャーされた「You And You Alone」や泣きメロの要素すら感じられる「Sulfur Surrounding」、オルタナティヴ・ロック感の強い「Autumn And Carbine」、ニューウェイヴ的浮遊感が味わえる「A Sliver」などフックも随所に用意されている。これだけ先鋭的で攻め攻めの内容にも関わらず、意外にもキャッチーさが前作以上というこの作風。言語化するのが本当に難しい。難しいんだけど、聴くと全部が理解できたかのような悟りの境地へと到達する……そんな1枚じゃないですか?

信頼できる音楽ライターやメディア、ミュージシャンたちが発売前からこぞって「2020年最注目の1枚」にピックアップし、リリース後も絶賛の声が多数寄せられている本作。筆者も発売前のかなり早い段階から本作に触れてきましたが、本当に何度聴いても飽きないし、聴くたびに新たな発見がある内容なのです。その発見には、アルバムで展開されているサウンドや仕掛けに関してのみならず、聴いた自分自身の感情の揺れ動きも含まれているのですから、本当に面白い。言葉はいらない。とにかく爆音で聴け! そう言いながら、相手に豪速球で投げつけたくなる、本年度No.1アルバム間違いなしのだい傑作です。

 


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