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2020年3月17日 (火)

OUTRAGE『RUN RIOT』(2020)

2020年4月中旬リリース予定の、OUTRAGE通算14作目のスタジオアルバム。フィジカル(CD)リリースに先駆けて、同年3月初頭にはデジタル&ストリーミング配信がスタートしています。

最初のEP『OUTRAGE』(1987年)から30周年という節目のタイミングに発表された前作『Raging Out』(2017年)は、それまで以上にストレートな形で表現された“スラッシュメタル以前のルーツ”が色濃く表出した、原点回帰かつ集大成的な1枚で多方面から高評価を受けました。

あれから2年半。この間にはアナログ限定で発表されたEP『Axe Crazy』(2019年)がありましたが、こちらはNWOBHM40周年記念リスペクト企画と称して制作された、JAGUARとANGEL WITCHのカバー曲。純然たるオリジナル作品は『Raging Out』以来ということになるのですが、いやはや、同作と先のEPを経てさらに(よい意味で)レイドバックしてくれています。

スラッシーな要素ももちろん要所要所ににじみ出ているのですが、それ以上に本作はもっとピュアなHR/HM色が前面に打ち出されている印象が強く、その濃度は『Raging Out』の比ではないほど。バンドとして改めて「最初に何がやりたかったのか」に立ち返ったかのような、心の底から遊びまくっているイメージが強い内容に仕上がっています。

いわゆるNWOBHM前後のクラシックなハードロック/ヘヴィメタル・サウンドをベースに、70年代後半のパンクロックやガレージロック、それらをルーツに持つ80年代初頭のスラッシュメタルやスピードメタルを、芸歴30年以上のベテランメタルバンドがここまでの経験と知識を武器に、2020年に再構築した。だから、懐かしさこそ感じさせるものの、古臭さは皆無。そして、80年代前半のジャパニーズHR/HMとも一線を画する、第二世代的ならではの強みが存分に活かされた個性も強く感じられ、そこがいわゆる“ジャパメタ”との最大の違いなんだと改めて教えてくれるわけです。

思わずニヤリとしてしまうギターリフやフレーズも随所に盛り込まれていますが、それらが単なる“パクり”や“焼き直し”で終わらないのは、OUTRAGEというクセの強いバンドが自信と信念を持ってこういったスタイルと向き合っているからこそ。いやいや、最高にカッコいいじゃないですか。

とはいえ、『Raging Out』と比較すると若干落ち着いたかな?という印象も。良い意味で“大人になった”表れなのかもしれませんね。このへん、80年代から活動する“50代に突入したHR/HMの命題”でもあるのですが、僕は本作に関しては好意的に捉えたいと思います。だって、深みや“聴かせる”度は過去イチですからね。

なお、本作のCD初回限定盤にはボーナストラックとして「White Lightning」(PARALEXカバー)と「Red Skull Rock」(TANKカバー)を追加収録。できれば限定アナログEPでしか聴けない「Axe Crazy」(JAGUARカバー)と「Baphomet」(ANGEL WITCHカバー)もCD化してほしかったな(「Baphomet」に関しては初回盤付属DVDにライブテイクが収められていますが)。

 


▼OUTRAGE『RUN RIOT』
(amazon:日本盤CD / 日本盤CD+DVD / MP3

 

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