BABY CHAOS『APE CONFRONTS COSMOS』(2020)
2020年3月初頭にリリースされたBABY CHAOSの4thアルバム。日本盤未発売。
1998年にDECKARDへと改名し2002年に解散。そこから11年を経て、2013年にBABY CHAOS名義で再結成を果たした彼らは、2015年に同名義では『LOVE YOUR SELF ABUSE』(1996年)から19年ぶりの新作となる3rdアルバム『SKULLS, SKULLS, SKULLS, SHOW ME THE GLORY』(2015年)をリリース。同作は日本盤もリリースされ、一部マニアの間で喜ばれました。
5年ぶりの新作となる本作の制作には、“5人目のメンバー”としてアラン・イーストン(G, Cho)が全面参加。トリプル・ギター編成となった彼らですが、90年代のBABY CHAOS〜DECKARDの流れを汲んだパワーポップ/ハードロック・サウンドとひねくれたメロディ&アレンジを随所に織り込んだ楽曲は本作でも健在。むしろ、『SKULLS, SKULLS, SKULLS, SHOW ME THE GLORY』以上にそのへんの魅力がブラッシュアップされた印象を受けます。
オープニングの「Out Of The Blue」でストレートなパワーポップ感を提示したかと思えば、続く「The Wild Beast」では英国バンドらしい“ひねくれ”感、ストレンジ感を散りばめた豪快なハードロックを聴かせてくれる。かと思えば、「You Won, You Won」ではパワフルなビートを強調させた“ゼロ年代以降”のガレージロック色を漂わせ、「I Belong In Battle」では音響処理が印象的なアコースティック・ソングを響き渡らせる。そうそう、こういうのが聴きたかったんだよ!という“痒いところに手が届く”楽曲群が次々と繰り出される構成は、さすがの一言です。
クリス・ゴードン(Vo, G)は本作に対し「過去3作とは大きく異なる挑戦に取り組んだ」と発言していますが、本当にそのとおりの内容です。事実、1曲1曲の個性が良い意味でバラバラなのは、もしかしたらこれまで以上と言えるでしょう。しかも、どの曲もしっかりBABY CHAOSらしさを維持しつつ、高い完成度を追求している。それにより、想像以上に高品質のロックアルバムに仕上がっていますし、むしろ“2020年のポップシーン/メインストリームで語られるべき”1枚と断言できるほどの内容なんじゃないかと言いたくなる。いや、本当に。
日本ではまだその傾向は見えていませんが、海外ではすでにギターロックはオルタナティヴな存在になってしまっている。しかも本作は、どマイナーなインディーズからのリリース。注目したくてもその機会がほぼ皆無な現状ですが、ハードなギターが鳴り響き、ポップで甘いメロディが乗せられたロックナンバーに一度でも心が揺さぶられたことがあるリスナーなら、間違いなく響く1枚だと思います。
▼BABY CHAOS『APE CONFRONTS COSMOS』
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