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2020年4月21日 (火)

JEFF BECK WITH TERRY BOZZIO AND TONY HYMAS『JEFF BECK'S GUITAR SHOP』(1989)

1989年10月にリリースされた、ジェフ・ベックのソロ名義で5作目のスタジオアルバム。JEFF BECK GROUPやBECK, BOGERT & APPICEでの活動も含めると、通算10作目のスタジオ作品となります。

僕自身が初めて手にしたジェフ・ベックのアルバムはこれでした。当時高校3年生、受験勉強の最中でしたが、よくアルバム(をダビングしたカセット)をリピートしていた記憶があります。インストものなので、言葉や歌が耳に入ってこないので、勉強が捗ったなぁ……(ウソ。個々のプレイに惹きつけられて、ギターを手にしてコピーにトライしていたような)。

テリー・ボジオ(Dr)、トニー・ハイマス(Key)というトリオ編成で制作された本作は、ジャケットやそのタイトルから想像できるような「ギターインストの改造工場」みたいな内容で、オープニングの「Guitar Shop」やCMソングにも起用された「Stand On It」のようにどこか機械的な印象を受けるクールなナンバーと、「Where Were You」みたいにベックのエモーショナルなギターを前面に打ち出したスローナンバー、「Savoy」や「Behind The Veil」での肉感的なアンサンブルなど、ギターサウンド/ギタープレイ/ギターインストを新たな次元へと昇華させようとする強い意思が感じ取れます。

そういった「従来のギターインスト・アルバムから離れよう」とする姿勢が、普段あまりその手の作品を聴いていなかった当時高校生の自分にもヒットしたんでしょうね。もちろん、そこは盟友トニー・ハイマスの手腕と、奇才テリー・ボジオのテクニック/アイデアが良い方向に作用したことも大きな要因ですし、なによりも最新のテクノロジーやサウンドと向き合うベックの好奇心旺盛なスタイルがあってこそ。僕自身がギターを弾く上では、テクニック的にまったくといっていいほど影響を受けていないジェフ・ベックですが、自分が音楽をする際にギタリストに求めるもの、あるいはリスナーとしてギタリストに求めるものとしては“ジェフ・ベック的なもの”の比重は非常に大きく、そのベースになっているのは確実にこの1枚だと確信しております。

だから、彼のアルバムの中でも格別に好きなのは『WHO ELSE!』(1999年)以降の作品ばかり。JEFF BECK GROUPを聴くのはコージー・パウエル(Dr)目当てですからね(苦笑)。

リリースから30年以上経過した今聴くと、すでにテクノロジー的にも前時代なものに感じますし、若干バブリーなサウンド面にも時の流れを感じずにはいられませんが、それでも“あのタイミングに、この3人にしか作り上げられなかった奇跡”であることには変わりありません。普段メタリックな音楽を愛聴しているリスナーにもストレートに響く、ギターインスト・アルバムの傑作のひとつです。

 


▼JEFF BECK WITH TERRY BOZZIO AND TONY HYMAS『JEFF BECK'S GUITAR SHOP』
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