MARILYN MANSON『HOLY WOOD (IN THE SHADOW OF THE VALLEY OF DEATH)』(2000)
2000年11月にリリースされた、MARILYN MANSONの4thフルアルバム。
グラムロック路線へとシフトし全米1位を獲得した前作『MECHANICAL ANIMALS』(1998年)から2年ぶり、同作を携えたツアーの模様を収めたライブアルバム『THE LAST TOUR ON EARTH』(1999年)から数えても1年ぶりと、この時期のマンソンはかなり精力的なイメージがあります。
ただ、1999年4月にアメリカで起こったコロンバイン高校銃乱射事件の影響(犯人の2人がマンソンのファンだったというデマ)もあり、さまざまなメディアやキリスト教保守派から糾弾されるというネガティブキャンペーンもあり、その音楽が正当な評価をされなかったのもこの時期の特徴かなと。
そんな時期に制作された本作は、『ANTICHRIST SUPERSTAR』(1996年)から始まった三部作構想のラストを飾る1枚。物語的には本作を起点にさかのぼっていく形になりますが、サウンド的には過去2作(『ANTICHRIST SUPERSTAR』『MECHANICAL ANIMALS』)のいいとこ取りという、おどろおどろしさを残しつつも全体的にはキャッチーという仕上がりです。
元々はアルバムに基づき、サブタイトルにある『IN THE SHADOW OF THE VALLEY OF DEATH』と題した映画を制作する予定もあったようですが、上記のようなトラブルに巻き込まれたこともあり、映像化は断念。とはいえ、トゥイギー・ラミレズ(B)やジョン5(G)といったメンバーの尽力もあり、1曲1曲がコンパクトな仕上がりで親しみやすく、楽曲面ではかなり恵まれていた印象があります。事実、シングルカットされた「Disposable Teens」(映画『ブレアウィッチ2』主題歌)や「The Fight Song」、「The Nobodies」はどれもキャッチーで、現在までライブの定番曲として親しまれているものばかりですしね。
アルバムは4つのパートから構成されているのですが、個人的にはディープさを増していく第2パート「D: The Androgyne」(M-5「Target Audience (Narcissus Narcosis)」〜M9「A Place In The Dirt」)、そして第3パート「A: Of Red Earth」(M-10「The Nobodies」〜M-14「Burning Flag」)あたりが本作のキモかなと思っており、『MECHANICAL ANIMALS』大好きマンとしては同作の流れを良い形で引き継いだこのあたりのパートは大好物だったりします。
本作をキャリア最高峰のひとつに挙げるリスナーも多いようですが、過去2作の良い部分をバランスよく内包するという意味では確かにそのとおりかと。個人的には好みの問題で、前作のほうが一歩上だったりするものの、この三部作は3枚まとめて楽しむことで見えてくるものも多いので、ぜひマストで聴いていただきたいところです。
ちなみに、本作は最初に書いたネガティブな流れもあってか、全米13位とチャート的にはかなり数字を落とす結果に。続く5thアルバム『THE GOLDEN AGE OF GROTESQUE』(2003年)では再び全米1位を獲得していることを考えると、つくづく不憫なアルバムだなと悲しくなってしまいます。
▼MARILYN MANSON『HOLY WOOD (IN THE SHADOW OF THE VALLEY OF DEATH)』
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