YNGWIE MALMSTEEN『ECLIPSE』(1990)
1990年4月に発表された、イングヴェイ・マルムスティーンの5thアルバム(RISING FORCE名義含む)。
前作『ODYSSEY』(1988年)で元RAINBOWのジョー・リン・ターナー(Vo)とタッグを組み、アメリカで初のトップ40入り(40位)、イギリスでも初のトップ100入り(27位)を記録するなど、コアなギタリストとしての知名度のみならず“アーティスト”としての評価を上げたイングヴェイ。しかし、ジョーとはすぐにコンビ解消となり(理由は言わずもがな。苦笑)、4代目シンガーとしてヨラン・エドマン(ex. MADISON、ジョン・ノーラムなど)を迎えて“原点回帰”的な作品を完成させます。
良くも悪くもアメリカナイズされた前作『ODYSSEY』は非常に聴きやすい内容でしたが、本作は基本的には“ラジオ・ライク”な作風であることは変わらず、しかし楽曲の質感はアメリカよりも彼の故郷である北欧をイメージさせるウェットなものへと回帰。主張の強すぎないヨランの声質と合間って、良質な北欧メタル作品へと昇華されています。
オープニングの「Making Love」こそラジオやMTVでのヒットを狙った、コンパクトでキャッチーな楽曲で掴みとしては若干弱いものの、ブルース・フィーリングが強い「Bedroom Eye」、王道の泣きメロバラード「Save Our Love」、王道のパワー&ファストナンバー「Motherless Child」と、序盤4曲だけでもかなりバラエティに富んだ内容になっています。イングヴェイのジャイアニズム全開なギターソロ(笑)も、意外とバランスが取れているような印象を受けますし、むしろその完成度は『ODYSSEY』以上ではないかと思うのですが……。
がっつり聴かせる“いかにも北欧メタル”なミディアムナンバー「Devil In Disguise」「Judas」の出来もよいですし、“らしい”シンセリフに思わずニヤリな「What Do You Want」、アグレッシヴな「Demon Driver」「See You In Hell (Don't Be Late)」、本作唯一のインストゥルメンタルナンバー「Eclipse」など、意外と聴きどころの多い本作。ボーカリストの個性やインギーのギタープレイなど、突出した個性は過去4作ほど強いものではありませんが、楽曲の完成度やアルバムとしてのバランス感は何気に(この時点で)過去イチのような気がします。
リリース当時はそこまで良いと思えなかったんですが、時間が経つにつれて本作を聴く頻度は高くなっていき、最近では『ODYSSEY』よりも聴く機会が多い1枚です。
▼YNGWIE MALMSTEEN『ECLIPSE』
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