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2020年5月15日 (金)

MY CHEMICAL ROMANCE『DANGER DAYS: THE TRUE LIVES OF THE FABULOUS KILLJOYS』(2010)

2010年11月にリリースされたMY CHEMICAL ROMANCEの4thアルバムにして、現時点での最新オリジナルアルバム。

前作『THE BLACK PARADE』(2006年)が全米2位、300万枚を超える大ヒット作となり、ワールドツアーも2年近くにわたり敢行。日本にも2007年1月と5月の2度にわたり来日公演を実施し、そのうち5月の来日では初の日本武道館公演も実現しました。また、2009年夏には『SUMMER SONIC』のヘッドライナーとしても来日しています。

こうした中、バンドは2009年に入ってからレコーディングに突入しましたが、2010年3月にボブ・ブライヤー(Dr)の脱退を発表。残りの作業にサポートメンバーを迎え、どうにか完成まで至るのでした。また、プロデューサーの人選も当初のブレンダン・オブライエン(PEARL JAMRAGE AGAINST THE MACHINEINCUBUSなど)から、前作を手がけたロブ・カヴァロ(GREEN DAY、GOO GOO DOLLS、SHINEDOWNなど)に変更するなどあり、完成までにかなりの苦労があったことが伺えます。

そうして届けられた4年ぶりの新作。最初にリードトラック「Na Na Na (Na Na Na Na Na Na Na Na Na)」を聴いたときの戸惑いは、今でもよく覚えています。大ヒットを記録した『THREE CHEERS FOR SWEET REVENGE』(2004年)、『THE BLACK PARADE』の2作はゴスを通過したエモ・パンクという印象が強く、あのダークさが自分の中で引っかかったところが大きかったのですが、この曲はGREEN DAYにも通ずる突き抜け感と爽快感が強まっており、そのストレートさに「あれっ?」と呆気にとられたのです。

実際、アルバムを聴いてみてもその印象は変わらず、全体を覆うわかりやすいポジティブさは以前と異なるベクトルだなと感じました。なので、一聴しただけでは「曲は良いけど、思っていたのと違う……」と肩を落としかねないアルバムなのかなと。ですが、自身の人生をも変えてしまうような成功を手にしたバンドが、それ以前の「ネガティブの中から聴き手に寄り添って手を引く」スタイルから「ポジもネガも全部ひっくるめて引き受けるから、俺たちについてこい!」という逞しさにシフトしたのも頷ける話で、要は自分たちを取り巻く状況もを打破しつつ、全部責任を負うから信じてついてきてという宣言だったのかなと。今聴き返すと、そういう意思表示の1枚だったように感じられます。

実際、先の「Na Na Na (Na Na Na Na Na Na Na Na Na)」や「Sing」といったシングル曲の完成度は高いですし、ダンス色を強めた「Planetary (GO!)」や「The Only Hope For Me Is You」、日本人女性によるナレーションをフィーチャーしたパーティロック「Party Poison」、ブリットポップ期のUKロックにも通ずるものがある「Summertime」や「The Kids From Yesterday」など、どの曲も個性やクセは強いのに意外とスルスル聴き進められてしまうものばかり。ダークなものを求めるリスナーには期待はずれだったかもしれませんが、時代を牽引するトップランナーとしては正解の1枚だと(今なら)断言できます。

ただ、このアルバム発表から数年後にはバンドは解散を突如発表。本当なら“この先”に何を見つけたのかを表現してほしかったところですが……ご存知のとおり、2019年末にバンドは7年ぶりの再結成を果たしています。この3月には『Download Japan』で久しぶりの来日公演も実現する予定でしたが、結果はご存知のとおり。きっとこの困難を乗り越えた彼らは、きっと“この先”を形として見せてくれるはず。そう信じております。

 


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