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2020年5月 6日 (水)

BULLET FOR MY VALENTINE『FEVER』(2010)

2010年4月に発売されたBULLET FOR MY VALENTINEの3rdアルバム。

1stアルバム『THE POISON』(2005年)の時点で世界的に成功していたBFMVですが、続く2作目『SCREAM AIM FIRE』(2008年)ではメタルコア的なスタイルから王道ヘヴィメタル路線へと進化を遂げ、全英5位/全米4位というさらなる大成功を収めることに。アメリカでの成功に気を良くした彼らは、ここで舵を完全にアメリカ側に切ることを決断し、過去2作を手がけたコリン・リチャードソン(CARCASSFUNERAL FOR A FRIENDMACHINE HEADなど)からプロデューサーをドン・ギルモア(LINKIN PARK、GOOD CHARLOTTE、アヴリル・ラヴィーンなど)へと変更。一気にメジャー感の強いメタルサウンドへとシフトすることになります。

過去2作でスピード感の強い幕開けを遂げた彼らでしたが、本作ではオープニングを飾るミドルナンバー「Your Betrayal」にいきなり面食らうのではないでしょうか。インパクトという点においては過去2作の比にならないほど弱いものですが、アルバム全体としては『SCREAM AIM FIRE』のスタイルを残しながらも「コンパクトさ」「キャッチーさ/わかりやすさ」に比重を置くことでライト層にもアピールできる曲作りを目指した、スルッと聴き進めることができる良質のメタルアルバムに仕上げられています。

2曲目以降は「Fever」「The Last Fight」と前作の延長線上にあるキャッチーな歌メロのスピードナンバーが続きますし、彼ららしいパワーバラード「A Place Where You Belong」「Bittersweet Memories」もしっかり用意されている。マシュー・タック(Vo, G)のスクリームも健在で、実は思った以上に尖った部分も要所要所に散りばめられていることは、ちゃんと聴けば気づくはずです。

それでも、本作が「日和った」だとか「売れ線に走った」と揶揄されてしまうのは悲しいものですね。とはいえ、僕自身も初めて本作を聴いたときはオープニングの印象が(悪い意味で)強かったためか同様の印象を残しており、それほど聴きこまなかった1枚なんですよね。ですが、その後の彼らのキャリアを考えると彼らがしっかりメタルシーンで戦っていこうという意思表示として本作を完成させたことは一目瞭然。初期の過激さは加齢とともに影を潜めてしまったものの、リリースから10年経っても楽しめるような完成度の高いアルバム作りを意識していたことは、しっかり書き残しておきたいところです。

あとは、ここに「Scream Aim Fire」や「Waking The Demon」などに匹敵するキラーチューンが1曲でも用意されていたら、間違いなく過去2作に並ぶ名盤になっていたのかな。そう思うと「あと一歩」かもしれませんが、それでも平均点以上の優れたヘヴィメタルアルバムであることには間違いありません。

 


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