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2020年5月12日 (火)

BAD COMPANY『HOLY WATER』(1990)

1990年6月に発表されたBAD COMPANYの9thアルバム。日本盤は同年7月下旬にリリースされました。

ポール・ロジャース(Vo)の脱退を経て加入した2台目フロントマンのブライアン・ハウ(Vo)の参加3作目にして、新生BAD COMPANY最大のヒット作。「Holy Water」(全米89位)、「If You Needed Somebody」(同16位)、「Walk Through Fire」(同28位)とヒットシングルが続き、アルバム自体も全米35位まで上昇。100万枚を超えるセールスを記録しています。

泥臭さの強かったブリティッシュハードロックを基盤にしたポール・ロジャース時代から一変、ブライアン・ハウ期はAORや産業ロックにすり寄ったアメリカン・ハードロックを軸に展開。特に本作ではラジオで流れやすいメロディアスなハードロックやバラード、耳に馴染みやすい歌声と分厚いコーラスというDEF LEPPARD以降の80'sハードロック、JOURNEYFOREIGNERHEARTなどに通ずるハードポップが満載の良作に仕上がっています。

シングルカットされた冒頭2曲「Holy Water」「Walk Through Fire」なんて完全にDEF LEPPARDですし、ヘヴィなスローブルース「Stranger Stranger」は『サーペンス・アルバス』(1987年)期のWHITESNAKE、適度なソウル感がたまらないミディアムバラード「If You Needed Somebody」なんてまさに80年代のFOREIGNERやHEART、同時期に活躍したBAD ENGLISH(そして復活後のCHEAP TRICK)の系譜ですし。さらに5曲目「Fearless」なんて、ギターリフのせいもあってか同時期にヒットしていたDAMN YANKEES「Coming Of Age」との共通点も見受けられるしね。

ミック・ラルフス(G)のギタープレイには適度なブルースロック感を残しつつも、ボーカルを主役に立てて脇役に徹する潔さが感じられる。そのへんは70年代のポール・ロジャース期とは異なるスタイルですし、同じバンドと見なすのは難しいかもしれません。サイモン・カーク(Dr, Vo)が歌う「100 Miles」のような牧歌的な曲には第1期を思い浮かべたりして、ちょっと微妙な気持ちになるかもしれませんが、だったら同じ名前の別のバンドとして楽しんだらいいんじゃないでしょうか。

1990年というと、80年代半ばから続いたHR/HMブームの末期であると同時に、翌年末から勃発するグランジ・ムーブメントまでの過渡期。ブライアン・ハウ在籍期はこのあともう1枚、『HERE COMES TROUBLE』(1992年)という良作を発表しており、こちらも全米40位(50万枚以上のセールス)を記録していますが、サウンドの質感や楽曲のスタイル的には今作のほうがより80年代的で、上に挙げたようなバンドのリスナーにも受け入れられやすいんじゃないかな。

現在はポール・ロジャースが復帰しているので、この時期の楽曲がBAD COMPANY名義でプレイされることはないでしょう。そんな中で、先日ブライアン・ハウがお亡くなりになるというニュースが飛び込んできました(ソース)。忘れ去られてしまうには勿体ない両盤も少なくないので、これを機に触れてみることをオススメします。

 


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