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2020年5月29日 (金)

DANCE GAVIN DANCE『AFTERBURNER』(2020)

2020年4月下旬にリリースされたDANCE GAVIN DANCEの9thアルバム。デジタル先行で発表されたようで、フィジカル(CD、アナログ)リリースは7月10日予定のようです。今のところ日本盤は未発売。

全米15位まで上昇した前作『ARTIFICIAL SELECTION』(2018年)から2年ぶりの新作は、ひとつ順位を上げた全米14位と高記録を残しています。ロックが売れない、かつ新型コロナウイルスの影響でCDセールスがほとんど期待できないこのご時世にデジタルのみでここまで結果を残しているのは、さすがの一言と言えるでしょう。

DANCE GAVIN DANCEは名前こそ知っていたものの、実はしっかり音源に触れるのは今回が初めて。ストリーミングサービスで面白そうな新作を漁りまくっていた中、ここにたどり着き……アルバムをひと通り聴いたあとには、AmazonでMP3音源を購入していました。それくらいどハマりし、「なんで今まで聴いてこなかったんだろう」と反省しているところです。

サウンド的にはポストハードコアをベースにしつつ、ポストロックやマスロックなどからの影響が強いサウンドメイキング/アレンジで一風変わった世界観を構築。ニューウェイヴ期KING CRIMSONのポストハードコア版なんて安直な言い方をしてしまうのはアレですけど、まあわかりやすく説明したらこうなるのでしょうか。あるいは、PERIPHERYがポストロックに目覚めるとこういう感じになるとか。適度なヘヴィさと軽やかさが共存し、メロディアスさも比較的成分多めで、かつ難解な要素も随所に散りばめられている。そりゃ大好物ですよ、こういうの。

オープニングの「Prisoner」からして浮遊感の強いギターワーク&メロディで惹きつけるあたり、ほかのポストハードコア/スクリーモ・バンドとは一線を画する個性が伝わってくるし、続く「Lyric Lie」なんて日本のギターロックファンが喜びそうな要素が詰まった1曲なんじゃないでしょうか。かと思えば、「Calentamiento Global」ではトライバルかつダンサブルなテイストと不穏さを残すメロディ&コードワークで、聴き手を別次元まで誘い、ミディアムスロウの「Three Whishes」ではリスナーを穏やかな気持ちにさせる。ヘヴィなギターワークやスクリームも随所に用意されているものの、最終的に耳に残るのはクリーントーンで爪弾かれるギターフレーズと、適度にハスキーなクリーンボーカルのメロディアスな歌唱。こりゃあ一度聴いたらやみつきになるわけですわ。

個人的にツボだったのが、ラストナンバーの「Into The Sunset (feat. Bilmuri)」。8分の6拍子で進行するスローナンバーなのですが、高音を強調した伸びやかなメロディライン&ハーモニーと、曲中突然飛び込んでくるエレクトロな味付けやヘヴィなアレンジは、浮遊感がどんどん強まることで双方が次第と乖離していく……この空気感、たまらんです。

まだまだ勉強不足だなと実感させられた今回の出会い。少し気が早いですが、今年のベストアルバム候補のひとつに挙げさせていただきます。そして、これを機に過去のアルバムも掘り返してみたいと思います。もっといろいろとアンテナ張らねば。

 


▼DANCE GAVIN DANCE『AFTERBURNER』
(amazon:海外盤CD / 海外盤アナログ / MP3

 

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