« PARADISE LOST『OBSIDIAN』(2020) | トップページ | AZUSA『LOOP OF YESTERDAYS』(2020) »

2020年5月20日 (水)

ASKING ALEXANDRIA『LIKE A HOUSE ON FIRE』(2020)

ASKING ALEXANDRIAが2020年5月15日に発表した、通算6作目のオリジナルアルバム。日本盤未発売。

ダニー・ワースノップ(Vo)がバンドに復帰し、バンド名を冠した『ASKING ALEXANDRIA』(2017年)で“わかりやすくてメロディアスなハードロック”へとスタイルを移行させた彼らでしたが、その進化はまだまだ止まりそうもなく、今作でもさらに劇的な変化を遂げています。

プロデューサーにFROM FIRST TO LASTのマット・グッド(G, Vo)を再び迎えて制作された本作は、前作で取り入れたエレクトロな味付けを本格的に、かつ前面に打ち出したスタイルに。“わかりやすくてメロディアス”な作風はそのままなのですが、必ずしもハードなギターを必要としないアレンジには、もしかしたら賛否分かれるかもしれません。

もちろん、ロックバンドのアルバムであることには違いありません。打ち込みやデジタル要素を巧みに使いこなしたモダンなスタイルは、確かにこの進化の流れって近年のメタルコアやポストハードコア・バンドが一度は通る道かもしれませんが、これが本当に今の彼らに求められている形なのだろうか……という疑問も拭えません。

でもね、この変化って必ず意味があるはずなんです。

先行シングルの時点でこういう作品になるってことは気づいていたものの、いざアルバムとして通して聴き始めると最初の数曲こそ「えっ?」と動揺は隠せません。が、アルバムを聴き進めていくにつれ、それこそ女性シンガーソングライターのグレイス・グランディをフィーチャーしたミディアムバラード「I Don't Need You」あたりまでくると、このアレンジ/サウンドに不思議と慣れてしまっている自分に気づきます。結局楽曲自体の完成度やメロディの美しさが際立っているので、意外と楽しみながら、スルスル聴き進められてしまうわけです。

でね、結局ここで展開されているサウンドって今ならではの「スタジアムロック」だと思うんです。ASKING ALEXANDRIAが憧れるバンドって、以前カバーしていたSKID ROWとか、それこそGUNS N' ROSESとか、もっと言えばBON JOVIまでを含む、80年代にロックキッズどもが憧れたスタジアムロックであり、あの時代の音を現代的に解釈するとこうなるのかな?っていうのは、なんとなく想像できる。つまり、前作で試みたスタイルをさらにスケール拡大させた結果が、これなんだと……安直だな、我ながら(苦笑)。

だけど、きっと彼らの思考もそれくらいシンプルなんじゃないかと思うわけです。確かに「売れたい」とか「時代に擦り寄りたい」という邪心もゼロではないと思うけど(笑)、前作からのステップアップとして考えれば、こういう変化はやはり必然だったんだなと。多少の違和感は残るかもしれませんが、結局曲が良いんだもの。聴き込んでいくうちに「あれ……いいアルバムじゃない?」って気づくはずです(もっとも、そこまで聴き込まないと良いと思えないアルバムってどうなのよ?って話もありますが)。

全体的に平均点を遥かに上回る完成度だけど、ここに絶対的キーラーチューンが1曲だけでも入っていたら、間違いなく2020年を代表する名盤になったんだけどな。そこだけは惜しかったかな。

 


▼ASKING ALEXANDRIA『LIKE A HOUSE ON FIRE』
(amazon:海外盤CD / 海外盤アナログ / MP3

 

« PARADISE LOST『OBSIDIAN』(2020) | トップページ | AZUSA『LOOP OF YESTERDAYS』(2020) »

Asking Alexandria」カテゴリの記事

2020年の作品」カテゴリの記事

2020年5月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            

カテゴリー

無料ブログはココログ