DAVID BOWIE『CHANGESNOWBOWIE』(2020)
2000年4月17日からストリーミング限定配信がスタートした、デヴィッド・ボウイの未発表音源集。CDおよびアナログレコードは6月20日、レコード・ストア・デイの一環で数量限定販売される予定です。
本来は4月中のフィジカルリリースを予定していましたが、新型コロナウイルスの影響でレコード・ストア・デイ自体が6月に延期(そこからさらに秋以降に延期されています)。結果、ストリーミング配信のみ予定どおり実施されることになったわけです。
本作は生前のボウイ50歳の誕生日を記念して、1997年1月8日に英BBCラジオでオンエアされた特別番組用にレコーディングされた9曲で構成。レコーディング自体は前年の1996年11月にニューヨークで実施され、ボウイとゲイル・アン・ドロシー(B, Vo)、リーヴス・ガブレルス(G)、マーク・プラティ(Key)という当時の最新作『EARTHLING』(1997年)制作メンバーが参加しています。
当時のボウイ自身がフェイバリットに挙げていた楽曲を中心に、基本的にアコースティックベースで仕上げられており、要所要所で機械的に歪みのかけられたギタープレイがフィーチャーされ良い味を醸し出しています。アルバム冒頭の「The Man Who Sold The World」は今年初頭、ストリーミング限定EP『IS IT ANY WONDER?』の一部として公開済みでしたが、リズムレスでアレンジされたシンプルな曲調は新鮮な驚きを与えてくれました。前半はドラム抜きのアレンジが続くのですが、「Lady Stardust」や「The Supermen」などではシンプルなリズムも追加されており、逆にドラム有りアレンジに新鮮味を覚えることになります。
また、「Aladdin Sane」を筆頭にゲイル・アン・ドロシーがボーカリストとしても前面に押し出されており、ボウイとの絶妙なハーモニー、あるいはデュエットという形で名曲たちに彩りを与えているのも本作の特徴かと。まるで歌うようにうねりまくる彼女のベースラインの聴きどころのひとつで、ボウイのいぶし銀の歌声にねっとり絡みつくプレイにばかり耳が行ってしまうのは、きっと僕だけではないはずです。
そういえば、『IS IT ANY WONDER?』に収録された楽曲も1996年に収録されたものが多かったと思いますが、この時期のボウイはレコーディングに対して非常に積極的だったことが改めて伺えるのではないでしょうか。この時期の未発表音源、まだまだ出てきそうな気がしますが、ボウイが健在だったらこれらが世に出ることもなかったんだろうなと考えると、いろいろ複雑です。
とはいえ、「Quicksand」のような楽曲をこんなにも美しく味わい深い新アレンジで楽しめるのですから、今は前向きに捉えたいと思います。

▼DAVID BOWIE『CHANGESNOWBOWIE』
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