BON JOVI『GREATEST HITS』(2010)
2010年10月下旬に発表されたBON JOVIのコンピレーションアルバム。
文字通り、BON JOVIのヒットシングルを凝縮したグレイテスト・ヒッツ的内容で、新曲2曲を加えたディスク1枚で構成された通常盤と、さらに新曲2曲(計4曲)を加えた2枚組の“THE ULTIMATE COLLECTION”の2仕様が用意されました。全世界で大ヒットを記録した『CROSS ROAD』(1994年)から16年ぶりのベスト盤とあって、チャート的には前作の8位を上回る全米5位を記録しています。
実は本作、『CROSS ROAD』のとき同様に北米とそれ以外の国(主にヨーロッパ)、そして日本とで収録内容および曲順が一部異なります。2枚組の“THE ULTIMATE COLLECTION”ですと北米盤が計28曲(DISC 1:16曲、DISC 2:12曲)、インターナショナル盤が計30曲(DISC 1:16曲、DISC 2:14曲)、日本盤が計31曲(DISC 1:17曲、DISC 2:14曲)と日本盤が最多となっているので、ここでは日本盤の2枚組仕様について話を進めていきたいと思います。
DISC 1は通常盤と同じ内容で、『CROSS ROAD』との被りが10曲と非常に既視感の強い選曲。前回オミットされた「Born To Be My Baby」が入っていたり、「Lay Your Hands On Me」がフェードアウトするシングルエディットで物足りないなど良い面悪い面それぞれありますが、日本盤のみの追加トラックがもはや(ありがたくない)お約束となった「Tokyo Road」というのは……(以下、割愛)。「It's My Life」「Have A Nice Day」「Who Says You Can't Go Home」といった2000年代のヒットシングルもしっかり収められているので、2010年までのBON JOVIを手軽に振り返るという意味では、このシングルディスクでも十分事足りるかと思います。
気になる新曲2曲は、直近の新作『THE CIRCLE』(2009年)の路線というよりは、それ以前の“BON JOVIらしさ”が復活した温かみの強い佳曲。「What Do You Got?」はミディアムテンポのソウルバラードで、『LOST HIGHWAY』(2007年)あたりに入っていても違和感のない仕上がり。もうひとつの「No Apologies」はサビメロから始まる王道スタイルで、シンプルな作風ながらも強いビートとわかりやすい歌メロが好印象な良曲です。おまけとしては十分なクオリティで、過去の代表曲にも十分馴染んでいるかなと思います。
DISC 2は大きなヒット曲は少ないものの、BON JOVIファンなら誰もが知るような人気曲、ライブの定番曲などを多数収録。「In These Arms」「I'll Sleep When I'm Dead」「Keep The Faith」「Bed Of Roses」などの『KEEP THE FAITH』(1992年)収録曲、「This Ain't A Love Song」「These Days」といった『THESE DAYS』(1995年)からのシングル曲はすべてこちらに追いやられており(苦笑)、90年代は黒歴史かと言わんばかりの扱いなのは気になりますが、近年のシングル曲「Lost Highway」「When We Were Beautiful」「(You Want To) Make A Memory」や唯一の非シングル曲ながらもライブ必須の代表曲「Blood On Blood」が選ばれているのは興味深いかな。
だけど「In And Out Of Love」よ、お前は本当に必要だったのか? 1stアルバム『BON JOVI』(1984年)から選ぶなら「Runaway」は納得だけど、2ndアルバム『7800° FAHRENHEIT』(1985年)から毎回この曲なのは如何なものかと。だからといって「Tokyo Road」ではないんだけどね。この、一見全オリジナルアルバムから最低1曲ずつ選ばれているような錯覚に陥る選曲ですが、実は8thアルバム『BOUNCE』(2002年)からは1曲も選出されていないという事実に気づいたのは、聴き終えてしばらく経ってからでした。それくらい影の薄いアルバムというのも……切ない。
で、さらなる新曲2曲についても。「This Is Love This Is Life」は、リッチー・サンボラ(G, Vo)のマウス・ワウをフィーチャーした、“2000年以降のBON JOVIらしい”王道マイナーロック。メロディや曲構成などのシンプルさは近代的ですが、リッチーのソロが最高にカッコいい1曲です。もうひとつの「The More Things Change」も近年の彼ららしいカントリー経由のアメリカンロック。DISC 1収録の2曲と比べたら、ちょっとインパクトに欠けるかな。けど、DISC 2の流れで聴くと全然アリと思えるから不思議です。
実はBON JOVIのオフィシャルサイトで本作を予約した人や、インターナショナル盤のiTunes購入特典として、さらなる新曲「This Is Our House」を手に入れることもできました。こちらはのちにデジタルシングルとして配信リリースされており、現在各種ストリーミングサービスでも聴くことができるので、あわせてチェックしてみてください。スケール感の大きなシャッフルビートのスタジアムロックで、正直なぜこれをアルバム本編に入れなかった?と思うはうですから(笑)。
▼BON JOVI『GREATEST HITS』
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