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2020年6月20日 (土)

BLACK SABBATH『SABOTAGE』(1975)

1975年7月に発表されたBLACK SABBATHの6thアルバム。

『VOL.4』(1972年)までの初期4作で音楽的にピークを迎え、前作『SABBATH BLOODY SABBATH』(1973年)では臨界点に達し新たなスタイルを模索し始めたサバス。その試行錯誤は本作でも続いているように感じます。

オープニングを飾る「Hole In The Sky」の破天荒さは「これぞオジー・オズボーン(Vo)」と言いたくなるくらい“らしい”仕上がりで、文句なしの1曲だと思います。そこから1分にも満たないインタールード「Don't Start (Too Late)」を挟んで、スラッシーなギターリフが印象的な名曲「Sympton Of The Universe」へとつなぐ構成はさすがの一言。サバスの勢いはまったく衰えていないように感じます。

しかし、この「Symptom Of The Universe」という曲がなかなかの曲者でして。メタリックな序盤の印象から一変、後半はジャジーなフレージングとトニー・アイオミ(G)のアコギを大々的にフィーチャーした展開に。このサイケデリック感も彼らの持ち味ではあるものの、1曲の中で前半/後半と分断される雰囲気の変化には若干煮詰まりも感じずにはいられません。フェードアウトで終わるアレンジといい、もうちょっと作り込んだらドラマチックな1曲に仕上げられたんじゃないかと思うんですよね。

で、アナログ盤だと前半のクライマックス(早い。実質3曲目じゃん。笑)となる10分近い大作「Megalomania」へ。序盤のドゥーミーさと中盤での曲展開、ピアノを用いたアレンジなど従来の“らしさ”と新しさを求める“らしくなさ”の間で揺れ動く、どうにも評価の難しい1曲なんですよね。アイオミのリフワークは相変わらずの一言だし、オジーのボーカルもそのヒステリックさ含め最高にカッコいい。だけど、どうにもすべてがベストな形でかみ合っていると言い切れないのがもどかしいところ。ぶっちゃけ10分はキツいので、6分くらいコンパクトにまとめていたらもっと締まりのある楽曲になったんじゃないかな。そこだけが残念でなりません。

後半はドゥーミーさよりもサイケさが際立つ「The Thrill Of It All」(ギターが相変わらずカッコいい)、クワイアをフィーチャーしたドラマチックなインスト「Supertzar」、シンセを前面に打ち出したニューウェイヴっぽい「Am I Going Insane? (Radio)」と雑多な曲が並び、最後に再び9分近い長尺の「The Writ」で締めくくり。この曲も、もうちょっと煮詰めたらコンパクトでインパクトの強い楽曲に仕上がったんじゃないかなと思うんですよ(歌メロは良いしね)。そこが本当に勿体ない。

初期の邪悪さやダークさは完全に薄れ、アートワーク含め普通のハードロックバンドになってしまった……と書くとネガティブな印象を与えてしまいますが、ポジティブに解釈すると数年後に始まるオジーのソロ活動への布石と受け取ることもできます。本作で実践している雑食性って、要は今のオジーそのものですからね。バンドとしては完全に過渡期ですが、長い歴史を振り返ると「そりゃこういうのもあるよね」と不思議と許せてしまう。それは単に、僕がオジーの歌声が好きだからというのも大きいのでしょう。だって、基本的にオジー・サバスにハズレなし!と思ってますから(なので、中途半端ながらもこれはこれでアリと受け止めています)。

万人向けではないですが、サバス初期5作からオジーのソロをある程度まで聴き終えたら、ここに足を踏み入れてもいいのかな。そういう、ある種マニア向けの1枚。

 


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