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2020年6月30日 (火)

LAMB OF GOD『LAMB OF GOD』(2020)

2020年6月中旬にリリースされた、LAMB OF GODの8thアルバム。

全米3位を記録した前作『VII: STURM UND DRANG』(2015年)から5年ぶりと、過去最長のスパンとなりましたが、その間には亡くなったファンへ向けたEP『THE DUKE』(2016年)やBURN THE PRIEST名義でのカバーアルバム『LEGION: XX』(2018年)マーク・モートン(G)のソロアルバム『ANESTHETIC』(2019年)およびアコースティックEP『ETHER』(2020年)と、関連作品が目白押しでした。なので、いざ5年と言われると「そんなに経ったの?」と驚く自分もいるわけです。

しかし、この5年は順風満帆というわけではありませんでした。バンドを牽引してきた名ドラマー、クリス・アドラー(Dr)が本作制作を前にバンドを脱退。代わりにアート・クルーズ(Dr / ex. PRONG)が加入し、おなじみのジョシュ・ウィルバーをプロデューサーに迎えて完成させたのが、バンド名を銘打った原点回帰の本作となります。

冒頭2曲は、既発のリードトラック「Memento Mori」「Checkmate」からスタート。耳馴染みの強い王道ナンバー2曲で弾みをつけると、そのまま「Gears」「Reality Bath」とアグレッシヴかつグルーヴィーな楽曲が続くのですが、気のせいかどの曲からもいつも以上のキャッチーさが感じられます。これまでの作品では良くも悪くも、聴き手を突き放すような唯我独尊の強いアグレッシヴさが全体を覆っていたのですが、とにかく本作は聴きやすいのです。その印象はラストナンバー「On The Hook」(ボーナストラック除く)まで薄れることはありませんでした。

全10曲で約45分という構成もさることながら、焦点がブレることなく1曲1曲をコンパクトな形でまとめ上げた作風も影響しているのでしょうか。特に大きな変化があるわけではないのですが、不思議とスルスル聴き進められるんですよ。いわゆるポップさは皆無なアルバムなのに、不思議とキャッチーという。そういうフックが随所に用意されたアルバムということでもあるんでしょうね。

また、本作にはゲスト・ボーカリストも複数参加。「Poison Dream」にはHATEBREEDのジェイミー・ジャスタ(Vo)が、「Routes」ではTESTAMENTのチャック・ビリー(Vo)がそれぞれ“いかにも”なスクリームを響かせています。前作ではチノ・モレノ(DEFTONES)やグレッグ・プシアート(当時THE DELLINGER ESCAPE PLAN)がゲスト参加していたので、今作も相変わらずな人選で我々を楽しませてくれます。

ドラムに関しては、確かにクリスの派手なプレイはここにはありません。むしろ、曲の良さを引き出すことに徹した職人技的かつ冷徹なプレイを堪能できるのではないでしょうか。多少好みは分かれるかもしれませんが、らしさはまったく失われていませんし、そもそも楽曲の完成度が高いのでそこまで大きなマイナスにはなっていないような気も。そもそもこのバンド、ドラムだけを聴いてきたわけではないし、ランディ・ブライ(Vo)のボーカルとマークの書く曲、マーク&ウィリー・アドラー(G)のツインギターの妙も含めてLAMB OF GODだったわけですから、クリスの不在だけを理由に否定するのはナンセンスかと。

もしかしたら本作は、METALLICAでいうところのブラックアルバム(1991年)的な1枚になり得る可能性が高い気がします。偶然にも、セルフタイトルを冠したアルバムという共通点もありますしね。なんにせよ、LAMB OF GODにとって集大成的な内容であり、初心者の入門にふさわしい決定的な1枚です。

 


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