« CRY OF LOVE『DIAMONDS & DEBRIS』(1997) | トップページ | CORROSION OF CONFORMITY『WISEBLOOD』(1996) »

2020年6月18日 (木)

THE BLACK CROWES『BY YOUR SIDE』(1999)

1999年1月に発表された、THE BLACK CROWESの5thアルバム。

デビュー時から所属していたAmerican Recordsを離れ、新たにColumbia Recordsと契約しての1作目。メンバーにも変化が生じ、デビュー時からのメンバーであるジョン・コルト(B)、2作目『THE SOUTHERN HARMONY AND MUSICAL COMPANION』(1992年)から参加したマーク・フォード(G)が脱退。レコーディングではリッチ・ロビンソン(G)がすべてのギターを担当し(ツアーには元CRY OF LOVEのオードリー・フリードが参加)、ベースには新たにスヴェン・パイピーン(B)が加わりました。

また、プロデューサーもジョージ・ドラキュリアス(PRIMAL SCREAMREEFなど)やジャック・ジョセフ・プイグ(JELLYFISHWEEZERCLUTCHなど)といった布陣から離れ、新たに気鋭のエンジニア、ケヴィン・シャーリー(AEROSMITHJOURNEYIRON MAIDENなど)を起用。この手のバンドの作品にしては抜けの良い、非常にクリアな音像の1枚に仕上がっいます。

直近の2作……3作目の『AMORICA』(1994年)や4作目『THREE SNAKES AND ONE CHARM』(1996年)がマニアックな作風だったこともあり、どんどんジャム色の強いフリーキーな存在になっていくのかと思いきや、この新作では初期の彼らが持ち合わせていた派手さ、華やかさが復調。サザンロック寄りだった近作よりも、スタジアム級バンドへと成長したTHE ROLLING STONESを思わせる、コンパクトでわかりやすいロックンロール/ソウルナンバーを次々に展開していきます。うん、とにかくスルスル聴き進められるんですよね。そういった意味では、デビューアルバム『SHAKE YOUR MONEY MAKER』(1990年)にもっとも近い位置にある内容かもしれません。

また、オープニングを飾る「Go Faster」や続く「Kickin' My Heart Around」あたりは、ストーンズというよりもAEROSMITHにも通ずる勢いや覇気が感じられ、このへんはプロデューサーが一緒という共通点も影響しているのかな。なんにせよ、即効性は非常に高いアルバムだと思いますし、これまでTHE BLACK CROWESを敬遠していたリスナーにもとっつきやすい1枚かなと思います。もしこのバンドのビギナーや、この手の枯れたロックンロールが苦手なリスナーに真っ先に勧めるなら、本作と1stアルバムを手渡すといいのではないでしょうか。

ただ、2ndアルバムから前作で展開された濃厚なスタイルに慣れ親しんだディープなリスナーには、本作は若干薄味に映るかもしれません。いや、薄味っていうか「普通のロックアルバム」くらいに思えちゃうのでは? そのへんも一長一短あるものの、純粋にロックンロールアルバムとしては非常に完成度が高いので、小難しいことを考えずに気軽に触れてほしいですね。

チャート的には初めて全米TOP20入りを逃し(最高26位)、セールス的に大成功したとは言えない1枚ですが、この前後にジミー・ペイジと共演してLED ZEPPELINナンバーの数々を演奏し続けたので、バンドの人気的には再び上昇の兆しを見せていた時期だったのかな。ちょうど1999年7月には、苗場スキー場で初開催の『FUJI ROCK FESTIVAL '99』で久しぶりの来日も果たしましたしね。

 


▼THE BLACK CROWES『BY YOUR SIDE』
(amazon:国内盤CD / 海外盤CD / 海外盤アナログ / MP3

 

« CRY OF LOVE『DIAMONDS & DEBRIS』(1997) | トップページ | CORROSION OF CONFORMITY『WISEBLOOD』(1996) »

1999年の作品」カテゴリの記事

Black Crowes, the」カテゴリの記事

カテゴリー