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2020年6月25日 (木)

WHITESNAKE『THE ROCK ALBUM』(2020)

2020年6月中旬にリリースされた、WHITESNAKEの最新ベストアルバム。

このアルバムは<Red, White and Blues Trilogy>と名付けた、新編集によるベストアルバム三部作の第1弾。Red=ラブソング、White=ロックアンセム、Blue=ブルースをテーマに選曲された楽曲群が、リマスター&リミックスにより新たな形に生まれ変わりまとめられることになります。

とはいえこのベスト、選曲範囲に70年代から『SAINTS AND SINNERS』(1982年)までの“ブルースロック”期が省かれており(少なくとも『THE ROCK ALBUM』においては)、世界的ヒットを飛ばす先駆けとなる『SLIDE IT IN』(1984年)以降の“アリーナロック/メタル”期をベースに選曲されているのです。ああ、やっぱりそうか(苦笑)

まあ、気を取り直して。ですがこのアルバム、古くからのリスナーでも新鮮な気持ちで触れることができるのではないでしょうか。というのも、リミックス効果がかなりえげつないことになっているのです。

『SLIDE IT IN』や『WHITESNAKE』(1987年)『SLIP OF THE TONGUE』(1989年)という“Geffen三部作”はここ数年の再発でリマスター&リミックス効果を遺憾なく発揮してきましたが、このベスト盤収録に際しこれら3作からの楽曲も再びリミックスが施され、かつ近年の『GOOD TO BE BAD』(2008年)『FOREVERMORE』(2011年)からの楽曲と並んでも違和感ないようなミックスで揃えられている。つまり、よくベスト盤にありがちな「古い作品と近作の録音の差がありすぎて違和感を覚える」ことが皆無なんです。特に『WHITESNAKE』以降の作品はほぼ差がないと言ってもいいでしょう(つまりそれは、『WHITESNAKE』以降の作品は、同作の作風をなぞっているとも言えるわけですが)。

収録曲の内訳は以下のとおり。

M-4、5:『SLIDE IT IN』(1984年)
M-1、6、10:『WHITESNAKE』(1987年)
M-11:『SLIP OF THE TONGUE』(1989年)
M-8、9、13、14:『RESTLESS HEART』(1997年)
M-12:『INTO THE LIGHT』(2000年/ソロ)
M-2、7:『GOOD TO BE BAD』(2008年)
M-3、16:『FOREVERMORE』(2011年)
M-15:未発表曲。『FLESH & BLOOD』(2019年)アウトテイク

個人的収穫は、やはり『RESTLESS HEART』(1997年)からの楽曲が手軽に聴けるようになったことでしょうか。と同時に、そのリミックス効果もかなり興味深いものがあり、これくらい派手なほうが(今の)WHITESNAKEらしくて好印象を持てるんですよ。逆に、これを聴いちゃうと『GOOD TO BE BAD』以降の楽曲がちょっとキツく感じられる難点も見つかっちゃうわけですが。

デヴィッド・カヴァーデイルのソロ作『INTO THE LIGHT』(2002年)から選ばれた「She Give Me」も、この並びで聴くと悪くないですね。『RESTLESS HEART』からの流れで聴くと、これは全然アリな作品だなと再認識させられます。

あとは、『SLIP OF THE TONGUE』から唯一選ばれた「Judgement Day」の、スティーヴ・ヴァイ(G)の個性を完全に殺した(笑)シンプルなミックスも悪くない。きっとこの曲、本来はこういうアレンジにしたかったんじゃないか?と思わずにはいられません(でも、ヴァイらしい効果音がなくなったのは、ちょっとさみしくもあるんですが)。

唯一の新曲(未発表曲)となる「Always The Same」は、あの賛否両論な最新作『FLESH & BLOOD』(2019年)からのアウトテイクなのですが、この出来が非常に良くて。なぜこれを本編に入れなかった?と思わずにはいられません。あのアルバム、なんとなくですが『SLIP OF THE TONGUE』と同じ失敗をたどってしまっているような気がするんですが……。

まあとにかく。日本でのストリーミング未配信作である『RESTLESS HEART』や『INTO THE LIGHT』、『GOOD TO BE BAD』からの楽曲を聴くことができるという点において本作への評価はある程度高いものがあると思いますし、今後『RESTLESS HEART』もリマスター&リミックス・バージョンが発表されるのではないかという期待も高まります。

苦言を呈するならば、やはり70年代〜80年代初頭の楽曲を1、2曲でも入れてくれたら……と。それこそ、この時期の音源を含めたら、先に書いた“音質の違和感”問題が再燃することになるわけで、難しいところはあると思いますが、それでも「ベスト」と掲げるならば……ねえ? あとは、せっかくソロまで含めているのなら、COVERDALE・PAGEからも入れてほしかった(笑)。いやマジで。なので、『THE BLUES ALBUM』にはそのへんを期待したいと思います。

 


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