« KIKO LOUREIRO『OPEN SOURCE』(2020) | トップページ | CHRIS POLAND『RETURN TO METALOPOLIC (30TH ANNIVERSARY EDITION)』(2020) »

2020年7月23日 (木)

MARTY FRIEDMAN『SCENES』(1992)

1992年11月にリリースされたマーティ・フリードマンの2ndソロアルバム。日本盤は『シーンズ〜憧景〜』という邦題にて、翌1993年2月に発売されました。

マーティのソロ作品としては、1988年発表の『DRAGON'S KISS』以来、4年ぶりのオリジナル作品。前作制作時はCACOPHONYに在籍していたこともあり、はたまた相方のジェイソン・ベッカー(G)を意識してなのか、『DRAGON'S KISS』はShrapnel Records所属ギタリストらしく速弾きを駆使したメタリックな作品でした。そんな中にも、東洋音楽のフレージングやメロディが随所に散りばめられており、これがのちのMEGADETH加入につながったと言われています。

MEGADETH加入後に発表されたこの2ndアルバム、全8曲中前半4曲をかの喜多郎が、後半4曲をマーティ自身とスティーヴ・フォンタノがプロデュースを手がけるという異色の内容に。もっとも、すでにこの頃にはマーティの東洋音楽(特に歌謡曲や演歌といった日本の音楽)への傾倒ぶりは知れ渡り始めていたので、喜多郎とのコラボレーションもなるほどと納得するものがあったのは事実です。

レコーディングにはMEGADETHでの盟友ニック・メンザ(Dr)が全面参加。すべての楽曲にドラムがフィーチャーされているわけではありませんが、バンドアンサンブルが楽しめる楽曲ではニックのダイナミックなプレイを楽しむことができます……が、だからといって『DRAGON'S KISS』的メタリックな楽曲は皆無。すべてミドル/スローテンポで統一されたムーディな楽曲群を、重いヒットながらもメロディの邪魔をしない的確なプレイで支えています。

ディストーションギターよりもクリーントーンを中心としたメロウなプレイの数々は、非常にエモーショナルかつセンチメンタリズムが強調されたもので、確かに演歌的な“泣き”の要素も感じ取ることができます。しかし、完全に演歌そのものかと言われるとまったくそんなこともなく、むしろヨーロッパのバンドあたりにも通ずる“泣き”に近いものがあるのかな。日本人がそのへんの音に惹きつけられるのって、実はそのへんの感覚が非常に近いのかもしれませんね。

「Realm Of The Senses」のオープニングや曲中に日本の演歌的な女性のセリフがフィーチャーされていたり、マーティの奏でるメロディもまんま演歌だったりと(笑)、一歩間違えばズッコケ要素になりかねないのですが(1曲だけ抜き出せばそうなりかねない)、このアルバムの流れで聴けば成立するこの世界観。ハマったら抜け出せないものがあるのは確かです。

マーティのソロ作品中もっとも異質な1枚ですが、実は一番好きなギター・インストゥルメンタル・アルバムはこれなんですよね。発売から30年近く経つクラシック的作品ですが、今でもリラックスしたいときにBGMとして活用する、間違いなくマーティのベスト・ワークのひとつです。

 


▼MARTY FRIEDMAN『SCENES』
(amazon:国内盤CD / 海外盤CD / MP3

 

« KIKO LOUREIRO『OPEN SOURCE』(2020) | トップページ | CHRIS POLAND『RETURN TO METALOPOLIC (30TH ANNIVERSARY EDITION)』(2020) »

Megadeth」カテゴリの記事

1992年の作品」カテゴリの記事

Marty Friedman」カテゴリの記事

2020年8月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31          

カテゴリー

無料ブログはココログ