BLEED FROM WITHIN『FRACTURE』(2020)
2020年5月末にリリースされたBLEED FROM WITHINの5thアルバム。日本盤未発売。
スコットランドはグラスゴー出身のデスコア/メタルコア・バンドであるBLEED FROM WITHINは、結成当初こそLAMB OF GODのコピーバンドからスタートしたものの、適度なメロディアスさとモダンかつテクニカルなアンサブルを武器に、すでに活動歴15年という中堅クラスにまで成長。2019年3月には初来日公演も実現し、今やUKメタル/ラウドシーンの次世代を担う存在として注目を集めています。
前作『ERA』(2018年)から2年ぶりの新作とはる今作は、バンドのセルフプロデュースにて制作。エンジニアリングやミックスには元PERIPHERYのアダム・ゲットグッドが携わっているほか、M-6「Night Crossing」にはギターソロでTRIVIUMのマシュー・キイチ・ヒーフィーがゲスト参加するなど、モダンメタルを愛好するリスナーには話題満載の1枚と言えるでしょう。
もはやデスコアの要素はほとんど感じられないものの、90年代のPANTERA、2000年代のLAMB OF GODなどに通ずるグルーヴメタル感、90年代末から2000年代前半にシーンを席巻したメロディック・デスメタルを通過したダイナミックなサウンドは、これぞ2010年代後半〜2020年代と呼べる現代的な新世代ヘヴィメタルと呼べるものに仕上がっています。ルーツの起点にLAMB OF GODの名があることから、彼らとの共通点も至るところに見受けられますが、要所要所で挿入されるメロウなボーカル/フレーズが独自性を強めることに成功しており、単なる二番煎じでは終わらない可能性がたっぷり伝わってきます。
また、これまでの彼ら“らしさ”をまったく失うことなく、全体的にメジャー感も強まっている。小規模のクラスで披露される音というよりは、その楽曲の完成度の高さ含めアリーナやスタジアムで高らかに(かつ最大級の爆音で)鳴らされることを前提に制作されたことは明らか。こういった前のめりな姿勢がバンドをネクストレベルへと引き上げることに成功しており、間違いなく本作は新規リスナーへの名刺代わりの1枚になることでしょう。うん、これはいいバンド見つけたなって思える、そんな良作。
ちなみに、先に挙げたマシュー参加の「Night Crossing」は、リモートにてMVも制作。彼らしい叙情的なギタープレイ&フレーズが存分に楽しめるだけでなく、ちょっとコミカルなMV含めて1粒で二度楽しめる作品ではないでしょうか。こういう時期だしなかなか来日は難しいですが、平和な世の中を再び取り戻した際にはぜひライブにも足を運んでみたいバンドのひとつです(そして、そう思わせてくれた最高の1枚です)。
▼BLEED FROM WITHIN『FRACTURE』
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